スターダスト

大友です。
ENSEMBLES展無事終了しました。
今回来てくださったみなさん、参加してくださったみなさん、YCAMのみなさん、
アーティストやボランティアスタッフ、サポートスタッフのみなさん、
本当に、本当にありがとう。

でも、でも、ものすごくさびしい。
ほんとさびしい。
またやりたいなあ。
またやりたいです!

11日YCAMをあとにするのは本当につらかった。泣きました。
ひとりで本当に泣いてしまいました。山口の街中を自転車で
はしりながらみっともないくらい泣いてしまいました。
終わりがこんなきもちになるなんて予想もしてなかった。
もう、いったいどういう感情なのか自分でもよくわからないっす。
なぜか頭の中に、ドルフィーの演奏する『テンダリー』のメロディがリフレインして、
でも景色は午前4時の山口市内で・・・。
地方都市の深夜に自転車で走りながら泣くなんて、あほな童貞高校生時代に
もどってしまったみたい。オレ青すぎ。でもまあ、こんな体験、経験、
そんなできるもんじゃないもんなあ。
自転車でYCAMに通った2008年の夏・・・もしかしたら、本当に
今までの人生の中でも一番素敵な時間だったのかもしれません。
とまあ、センチメンタルになってるだけではなく
この展示がなんであったのかを、しっかりと本にまとめる中で
「次」のことを考えていくつもりです。
「ENSEMBLES」の本は来年月曜社から出る予定。
頑張るぞ!

今回のENSEMBLES展での経験はわたしにとっては本当に宝物の
ようなものです。でもそれは単に作品が宝物ってだけじゃなくて、
ここまでにいたる何年かの時間と、6月から今日までの滞在制作の
中での経験、格闘、出会いのすべてが、もうかけがえのないものという
意味です。

願わくば作品に接してくださったみなさんにとっても、その経験が
かけがえのない宝物になりすことを。

最後にわたしの大好きな20世紀の名曲
orchestrasのラストに聴こえていてくるグロッケンのメロディ
「スターダスト」の歌詞をお贈りします。

スターダスト

そして今、夕暮れの紫の黄昏が
僕の心の草原にしのび込んでくる
小さな星が空高くのぼり
僕には消えることのない歌を残し
君は小道をさまよいながら遠ざかっていった
恋は今、過ぎ去った日々の星くずとなり
過ぎ去った歳月の歌となって

時々僕はある歌を夢に見て
何で孤独な夜を過ごすのだろうか?と不思議に思う
そのメロディーが夢の中に入ってきて
気が付くと僕はまた君ともう一度一緒にいる
僕達の恋が始まったばかりのころは
どのキスも、いつだって新しくて、いつだってときめかせてくれた
でも、今ではもう遠い昔のこと
今わたしの慰めは歌の星くずの中にある

庭園の壁にもたれ、星の輝きを浴びながら
君は僕の腕の中にいる
ナイチンゲールがおとぎ話を語っている
バラの花がいっぱいに咲く楽園のおとぎ話を
わたしの夢はむなしく終るけれども
この星くずのメロディーが
恋の調べの想い出が
心の中にいつまでもくりかえし響き続くことだろう

みなさんに心からの感謝をこめて
2008年10月14日 大友良英

Filed under: 大友ブログ — otomoycam 12:39 PM  Comments (0)

クロージングライブ開催時、「orchestras」の公開時間を変更

11日(土)のライブ開催に伴い、新作インスタレーション「orchestras」の公開時間を下記のように変更いたします。

10月11日(土)
「orchestras」スタジオA 
公開時間:12:00 -16:00
*ライブコンサート開催のため16:00に閉場いたします。 (通常:12:00 -19:00)

10月12日(日)
「orchestras」スタジオA
公開時間:10:00 -19:00
*通常の公開時間よりも2時間早く開場いたします。(通常:12:00 -19:00)

Filed under: From YCAM — otomoycam 10:27 AM  Comments (0)

10月11日(土)開催のクロージングライブについて

今月13日(月・祝)で会期終了となるENSEMBLES展。

10月11日(土)には、クロージングライブ「Networks」を開催します。

シンガポール、韓国、中国からミュージシャンをむかえ、YCAM館内のさまざまな場所をつかって3部構成で演奏を繰り広げます。

1st setは、スタジオBで観客席に座りながら、2nd setは「without records」展示中のホワイエ、さらに、3rd setは廃材が吊られた「orchestras」展示中のスタジオAで、それぞれの演奏を楽しむことができます。

2nd setは、大友良英、山本精一によるドリームデュオのセッション、そして3rd setは、大友さんの最近のプロジェクトで誕生したFEN[Far East Network]が日本初公開。ソウル、シンガポール、北京などを拠点に活躍するミュージシャンの演奏と大友さんの最近の活動、そして本展の作品を一挙にご覧いただける貴重な機会となります。

ぜひみなさん、この機会にYCAMにお越しください。

Filed under: From YCAM — otomoycam 5:26 PM  Comments (0)

大友さんと高嶺さんが京都でトーク!

京都精華大学が運営するアートスペース shin-bi にて「大友良英 / ENSEMBLES」展の内容を含む鼎談がおこなわれます。
現在、YCAMにて展示中の作品「without records」は、shin-bi、せんだいメディアテークを経て、大幅リニューアルした改訂新作のインスタレーションです。
この作品の起点ともいえるShin-biだからこそ聞くことのできる貴重なお話しが期待できます!

お近くにお寄りの際は、ぜひお立ち寄りください。

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感覚を拡げる −鼎談 現代美術を創ること-「大友良英 /ENSEMBLES」から-
2008年10月5日(日)17:00-19:00

参加費:予約1500円/当日2000円
講師:
大友良英(ターンテーブル奏者/ギタリスト/作曲家)
高嶺格(美術作家)
小崎哲哉(ART iT編集長)

「大友良英 /ENSEMBLES」は山口情報芸術センター(YCAM)で開催された大友良英の個展であるが、作品製作には様々な分野の国内外のアーティスト、ミュージシャンから市民までが広範囲に取り込まれ、高嶺格は「orchestras」の共同製作をおこなっている。
今回の鼎談では音楽家が現代美術を現代美術家と作り上げることと、現代美術家が現代美術を音楽家と作り上げること、それを美術雑誌編集長として体験したことについてお話しいただくことで、「現代美術」のありようついて考察します。

お申し込み先:
〒600-8411
京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸 3F shin-bi
*上記イベントのお問い合わせ/お申し込みは、Shin-bi webサイトをご覧ください。
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Filed under: From YCAM — otomoycam 4:23 PM  Comments (0)

シンガポールから

大友です。
え〜と、実は山口YCAMの「ENSEMBLES展」ぜひ見てほしくて、ここでいろいろ書こうと思ってたんですが、全然書けない。何度もトライして書いてるんですが、全然まとまらない。どう書いてよいやら、途方にくれております。でも、本当に実際に見て体験してほしい。特に4作品のうち「quaratets」だけは9月23日で終了してしまうので、お時間ある人は、ぜひその前に。わたし自身も、これを逃すと、多分もう一生見れない・・・って思うと、なんとも言えないくらい切ない気持ちで、23日前にもう一回YCAMにいって数時間、じっくり見る予定。ほかの3作品は10月13日までやってるので、これもぜひぜひ。「without records」については、出たばかりの雑誌エクスポの宇川直宏 X 大友良英4万字対談で、宇川くんがものすごく熱く語ってくれてます。泣けるくらいうれしい感想です。4万字といっても、もちろん、そのうちの3万5千字は宇川くん→エクス・ポ5

それからSHIFT PEOPLEってwebマガジンに今回の展示についてのわたしのインタビューやら写真が出ています。ここはぜひぜひ読んでみてください。→SHIFT

あ、あとYCAMの作品少しですがyoutibeにアップされてます。でも、これ見ても、本当のところは伝わらないなあ。やっぱ生でぜひ体験してください。
→without records
→quartets


写真は今回の展示の中でオレが一番好きな写真。これMUSICSのライブの日に神戸の音遊びの会のメンバーの大生くんが「quartets」の中にはいってオレの影と遊んでいるときのもの。先日友人から来たメールにも「作り手だけのアンサンブルではなく 観てる側の魂も アンサンブルとして参加出来る 新しい作品だと思いました・・・」って書いてあって、こんな反応が本当にうれしい。タイトルのENSEMBLESが、素敵な広がりを持ち始めていることが本当にうれしい。










さて、YCAMから戻ったあとも、神奈川で新しいトリオの結成ライブをやったり、新潟でソロをやってあたらしい出会いがあったり、田中泯さんと2日間即興でライブをやったり、芳垣安洋のライブで懐かしい仲間に会ったり、ちょっとうれしい出会いがあったり、美術系のパーティのライブでやかましい客にめげず、これでもかってくらいの素晴らしいライブをやったり、世田谷美術館でインスタレーションのような演奏をしたり、そのあとジムたちと新宿で打ちあがったり、映画やテレビの音楽の打ちあわせやら、曲を何曲もつくったり、岩井主税の手によるオレのドキュメンタリーフィルムがいよいよ完成に近づき、最後の音のつめの作業をしていたら偶然スタジオで鈴木祥子さんに久々にあって、そのままその場にいた勝井くんや鬼怒くんと美味い中華を食べに行ったり、盟友菊地成孔との1年ぶりのDUOで、例によってライブでも打ち上げでも素敵な時間を過ごしたり・・・彼といると本当にいつも美味いもんにたどりつく、食べ物だけじゃなくて、いろいろな意味で。で、その足で成田空港にむかって、今はシンガポール。

ここシンガポールでは、今わたしが世界で一番好きなアーティスト、即興演奏家でシンガー、ダンサー、美術家でもあるZai Kuningのプロジェクト「book from hell」をEsplanadeという会場で9月17、18日に。東京からエンジニアの近藤祥昭を向かえ、6.1チャンネルの特殊システムを構築。今日リハをやってきたところですが、すごいです。素晴らしいです。山口以上に遠いですが、お時間あるかたはぜひぜひいらしてくださ〜い。これも自信作。ってか、YCAMの作品はどこかにもってくのそんな簡単じゃない・・・てかほぼ不可能だけど、こっちのほうは、来年にでも日本でやれるように動いてみよう。Zaiは人も音楽も作品も本当に魅力的。
→参考サイト

写真はZaiと、今回のプロジェクトにわたしとともに参加する香港のDickson Dee。



もうひとつ、下記の写真はYCAMの「orchestras」今回の展示中でも一番大きな規模で、かつ再現は不可能。今回を逃したら一生見ることできません。ぜひぜひ現場にいって体験してみてください。ちなみに、この作品の中でもZaiの歌と演奏がフューチャーされています。ほかにも二階堂和美、一楽儀光、中村達也、本田珠也、大島輝之、デビッド・グラブス、アネッタ・クレブス、一楽まどか、植村昌弘、近藤達郎・・・ほか沢山の演奏家がフューチャーされた上に、総計200名以上の方の音源が使われています。

Filed under: 大友ブログ — otomoycam 1:26 PM  Comments (0)

閉館作業のときに遭遇する光景

最近、20時の閉館ぎりぎりまで作品をじっくりみて帰られる方がちらほら。

19時前に2階の作品「quartets」を観て、19時過ぎてから図書館ブリッジへ「filaments」を観に行き(きっとその前にはスタジオAの「orchestas」もみているはず)、そのあとホワイエの「without records」を観て、最終的に私たちスタッフに促されて(すみません、、、)名残惜しそうに帰られるというパターンが数回ありました。

19時から(土日祝日は17:00から)始まる「filaments」も含めた全作品をじっくり鑑賞しようと思ったら自然と閉館までいることになるのでしょうね。「filaments」は外の光が入り込む図書館での展示なので、土日でも18時30分以降ではないと光の明滅がはっきりみえないですし。

12時からの「orchestras」「quartets」のオープンにあわせて来館し、じっくり時間をかけて4作品を鑑賞されるのもお勧めです。大友さんが言われているようにどの作品も一度として同じ瞬間はないので、何度もめぐってゆっくり味わってみてください。

4作品のうち「quartets」が9月23日(火・祝)で終了。なので、すべての作品が鑑賞できるのは23日までです。まだ観ておられない方は、あるいはもう一度観ておきたいという方はお早めに!!

そして、教育普及スタッフによるギャラリーツアーも、すべての作品をみてまわるのは今回のみとなります。ぜひご参加ください。

9月13日(土)/14(日)
各回 14:00~14:45
講師:YCAM教育普及スタッフ
定員:各回15名(先着順)
申し込み:当日13:30迄に財団事務局まで直接お申し込みください。

Filed under: From YCAM — otomoycam 11:40 AM

竜宮城より帰還

山口の竜宮城YCAMから半月ぶりに東京にもどってきました。
やらねばならないことが山積してるのは百も承知ですが、今日はもうな〜〜〜〜〜んにもしてません。ひたすら寝て、時々起きてはクレジーキャッツが出てるyoutubeを見まくって、またひたすら寝てます。

無事全作品オープンしたENSEMBLES展と、8月23日のオープニングライブのMUSICSについては、あらためて書きます。とにもかくにも、ご来場のみなさん、演奏してくださったみなさん、作品を作ってくださったみなさん、そしてYCAMのみなさん、本当にありがとうございました。

オープンしてみて初めて気付いたのですが、今回ひとつひとつの展示の素晴らしさもなることながら、こうして4つの展示がYCAMの大きな器のなかにあることで、それぞれが存在する意味を補完しあっているというか・・・・、う〜〜〜ん、え〜と補完ではないなあ・・・・、え〜〜、まだうまくまとまった言葉にはなりませんが、それぞれがかなり強いテンションをもってお互いを挑発しあっていて、それが結果的にはいい緊張感をもったアンサンブルになってるな・・・そんな感じがしています。

正直、ものすごい作品をつくったぞという自負もあります。でも、とても言葉では説明しきれない、実際に現場にいって接しないことにはなにも伝わらない作品ばかりです。ぜひぜひYCAMに見に行ってやってください。東京からの往復3〜4万円をかけてでも、実際に体験する価値アリ・・・と、今回だけは自信をもって大きな声で断言します。どの作品もコンサートひとつぶん、いやそれ以上のものを提出してると思っています。

もしかしたら、今回の作品群は今までの展示という概念や今まであった複製音楽の再生という概念を越えつつあるというか、それらを統合しつつ新しい別のレベルに踏み出した画期的な作品になってるのでは・・・という予感がしています。従来のサウンドインスタレーションでもないし、劇場作品でもない。美術なのかもしれないし音楽なのかもしれないけど、どうもそれだけでは説明できない。録音作品や映像作品の側面もあるけど、やはりそれだけではない。でも、今はこの仕事が、本当に面白い。いろいろな人を巻き込む・・・というのは、オレがずっとやってきたことだけど、やっと、ここに来て、そうそう、これこれ・・・という感触をつかみつつ沢山の人たちとアンサンブルを組めているような、そんな気がしています。この先の20年になるか30年になるかの残りの人生が、このENSEMBLESからはじまる・・・・なんだか大袈裟に聞こえるかもですが、そのくらいのことをした、しつつあると思っています。

しかし今回共演の高嶺格、強烈だったなあ。あんたはすごい! 本当に素晴らしい。彼のおかげで、オレかなりいろいろ見えてきたというか、よっしゃ、これだぞ・・・という感触得ました。そんなこともいずれここで書きます。

さ〜〜〜〜〜て、youtubeばっか見てる場合じゃない。明日からライブ。いつもの生活の戻るのだ。でも、もう以前のオレには多分もどれない。このさきどんな演奏をしてくんだろう。

写真 orchestras制作途中、songsの第一部YCAM前の芝生で演奏する飴屋法水、打ち上げでYCAM浴衣部隊に囲まれて人格崩壊のオレ、orchestras制作メンバーの高嶺格、小西小多郎、伊藤隆之、濱哲史。

Filed under: 大友ブログ — otomoycam 5:26 AM  Comments (0)

「quartets」の会期を延長

現在開催中の「大友良英/ENSEMBLES」展にて公開中の作品「quartets」につきまして、7月5日(土)から9月15日(月・祝)まで開催とご案内していましたが、好評につき、9月23日(火・祝)まで会期を延長いたします。

そのため、8月23日(土)から9月23日(火・祝)までは、「大友良英/ENSEMBLES」展の全作品を同時にご覧いただけます。

さらに、今週末にはギャラリーツアーも開催いたします。
8月30日(土)14:00-14:45
8月31日(日)14:00-14:45

ぜひこの機会にYCAMにお越しください。

Filed under: From YCAM — otomoycam 10:28 AM  Comments (0)

ウィズアウトレコーズ ハイファイ ヴァージョン

ウィズアウトレコーズのハイパーヴァージョンとなって、本日より公開!!!

Filed under: 未分類 — otomoycam 1:59 AM  Comments (0)

8月23日(土)「Musics」2nd set 前売りチケット完売

LIVE-2:orchestras オープニングライブ 2nd setの前売りチケットが、たったいま完売となりました。
当日券についての案内は、当日10:00以降に、チケットインフォメーションまでお問い合わせください。

1st setについは、YCAM各所でチケットなし、無料で自由にご覧いただけます。
たくさんのアーティストがYCAMの館内至るところで演奏します!

出演
1st set: OTOMORCHESTRA
演奏:ONJO[大友良英、カヒミ・カリィ、大蔵雅彦、青木タイセイ、石川 高、Sachiko M、宇波 拓、高良久美子、水谷浩章、芳垣安洋、近藤祥昭]
高嶺 格、飴屋法水、サウンドワークショップ参加者、音遊びの会、rewall、小川紀美代、渡辺英貴、牧野琢磨、毛利悠子、五所純子、湯浅学、松島玉三郎 ほか多数

Filed under: 未分類 — otomoycam 3:18 PM  Comments (0)