■プロフィール



 

■中国哲学

林 文孝 Fumitaka Hayashi/山口大学時間学研究所 山口大学人文学部助教授
1965年生まれ。中学生のとき、唐詩の世界に憧れて中国文学の研究に志したが、大学生になっておのれの文学センスのなさを痛感し、「中国に関することなら何でもできる」という中国哲学研究室の宣伝文句に誘われて転向した軟弱者である。以来、朱子学など近世の儒教思想という堅いテーマを軟弱な態度で研究してきた。「時間旅行」展連続レクチャーでは、陸九淵や朱熹の思想を通して、人間が時間の中に生きていることの不思議さについて考えたいと思っている。

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■天文学、物理学

藤沢健太 Kenta Fujisawa/山口大学時間学研究所 山口大学理学部助教授
1967年生まれ。専門は電波天文学・電波望遠鏡・超長基線電波干渉計の研究。天文学=宇宙の研究を通じ、広大な時間と空間を舞台にした天体の研究をおこなう。宇宙には超強力な重力や超高速な運動により時間の進み方が地球上とは異なる天体や、原子時計以上に正確な時間を刻む天体がある。このような天体が放射する電波を受信する観測をおこなっている。また、観測に高精度な時計を使うため、精密時間計測に興味を持つ。

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■生命科学、細胞生物学

藤島政博 Masahiro Fujishima/山口大学時間学研究所長 山口大学理学部教授
1950年生まれ。約21億年前にミトコンドリアや葉緑体を生み出し、真核細胞の進化に寄与してきた細胞内共生は、現在でも繰り返しておこなわれ、宿主細胞に新たな構造と機能を与えて細胞の進化と多様な環境への適応力獲得の原動力となっている。細胞内共生の研究は、真核細胞の起原と進化のルーツの解明に役立ってきたが、細胞内共生がどのようにして成立するかは明らかではない。私は寄生から共生への過渡期にある細胞を研究材料に使って、細胞内共生の成立条件を分子レベルで明らかにする研究をおこなっている。任意の組み合せで細胞内共生を成立させる技術開発を目指している。

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■哲学、倫理学

古荘真敬 Masataka Furusho/山口大学時間学研究所 山口大学人文学部助教授
1968年生まれ。専門は哲学・倫理学。誰もが「私」の居る世界の事実しか知覚し得ないにもかかわらず、時間の観念は、「私」を「私」から引き離し、挙げ句のはてには、いわば父母未生以前の「誰か」や子孫死亡以後の「誰か」の視界へと誘い込む。しかし、そこへと誘い込まれる各々の「私」自身の「今」は、この視界の埒外に置き忘れられ、「私」の生と死の現実の時間的意味が空洞化してしまうということもあろう。そんなことを、ぼんやり考えている。

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■イギリス文学

正宗 聡 Satoshi Masamune/山口大学時間学研究所 山口大学経済学部助教授
1961年生まれ。大学在学中から現代英国小説を読み始める。初めはアイリス・マードックという哲学者兼小説家の作品を彼女が創作初期に影響を受けたというサルトルの小説、哲学との関連で研究していた。最近では諸々の現代小説家に対象を広げ、彼らが「時間」の問題をどのように作品のなかで処理しているのかに興味を抱いている。特に、小説の語り手がことばによって世界を描写するときに、時間がらみの問題について考えている。

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