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June 28, 2006

100回目の公演

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今日で30×30ダンス公演は100回目を迎えた。“感動的”とういうのが私の心にくる唯一の言葉だ。私はこの企画を全体的に捉えることはできない、これは一人の人間にはあまりにも大きすぎる。私はそれについて自分にとってわかりやすそうなことを探して1日のうちにせいぜい10回は考えている。今日、自分が100回のパフォーマンスを成し遂げたことをしみじみ実感した。それは全く簡単だったわけではない。うっとりしてしまうようなダンスになったこともある。しかし、私の情熱と愛が欠けることは一度もなかったと言える。この企画は私が思っていた以上に厳しいものだった。偶然を創出する時間に、ダンスとダンサー自身を人々に見せるというのは素晴らしい考えだと思うが日々この状況で生活していく事は、かなり大変である。私は毎日暑さや、湿気にも関わらず再び踊りたいという気持ちを持って自分があの日本らしい<私の>橋に立っていることに驚く。その中で素晴らしいことが起きると分かっているから、天候の不快さも忘れてしまうからだろう。私と私のダンスの一部となる街の人々の間にあるこの言い表しようのないものが私に必要なエネルギーをたくさん与えてくれている。私はとても強烈な経験をしている、誰かが山や森や海で探検することを話すかのように私がこの経験を語るのは、全ての探検における肉体的、精神的な要求と同じ観点から見て、これが私のダンスの動きの探検、模索であると言えるからだ。いつかこれに名前をつけることができたらと思っている。私は今その探検を行っていて、その喜びの中にいる。ここ山口での公演はあと20回となった。私のダンスに注がれる町の人々の視線がいつも楽しみである。

ではまた
ポール=アンドレ=フォルティエ
(写真 丸尾隆一/YCAM)

野外でダンスをすると言うこと

6月28日(水)、山口で始まって「はや」10日目。
梅雨の中休みか、日差しも強く、これまでで一番暑い。
踊り終わったフォルティエさんの頭に大粒の汗が噴き出している。
劇場内では公演に際し温度を始め環境がコントロールされている。
当然であるが、特別に仕掛けを作らない限り雨が降ってくることもない。
2月にイギリスーニューキャッスルで始めた時は寒かったと言う。
街中(劇場外)で踊ると言うことは、自然環境との戦いでもある。
それにしても異常気象、6月から真夏日とは。
失念していたが、ニューキャッスルから本日で100日目。
残り、「まだ」50日。

シアター・ディレクター 岸 正人

June 26, 2006

南 隆雄の滞在制作日誌 part1

6/19
「30x30」が商店街で始まった。猛暑なか、アスカの水だし紅茶(2杯)を飲みながら、橋の上で踊るフォルティエを見る。松本と相談しながら、明後日のプレゼンの準備をする。

6/20
丸尾君、山城君とYCAMに朝10時に集合して、山口県北部の角島に撮影にでかける。途中、「石柱渓」と書かれた看板に惹かれて寄り道したのが大正解。石英斑岩結晶による不等辺5角形の石柱に、大小数々の滝が絡む散策道を1時間ほどかけて歩き、素麺のCMのような滝を撮る。角島に渡る大橋で一気に上がったテンションのまま浜辺に到着。さっそく水平線を撮り、ものすごい奇麗な海で泳ぐ。人はまばら。牛を見、巨大なスチロールを拾い、夕日を撮影し、刺身を食い、帰り道で偶然ホタルを見る。大変充実。

6/21
1x60の制作が始まる。フォルティエと話しながら、ほとんど暗転の舞台上、ほのかな灯りの中での動きを試みる。心霊写真のような反射像、消える影、蛍の光、スクリーンに映し込まれる舞台袖機材の影のフラッシュ、光る足跡など、断片的な舞台セットのアイデアがつぎつぎとうまれる。昨日僕が拾った卵形のスチロールをいたく気にいってくれて、セットの一部になりそう。なんとなくそのことで、安心して自分のアイデアを伝えられる気がした。

6/22
フォルティエがこっちに来て初めて舞台上で踊る。既に彼からもらったDVDで見ている試作のダンスを実際の舞台上で見ることで、印象が全く変ってしまうという至極当たり前のプロセスを経ることで、いままで考えていた沢山のアイデアがふるいにかけられ、またあたらしく試みたいことがでててくる。夜にフォルティエ、ジネル、オリビエ、アスカ、松本と一緒に和食を食べにいく。

6/23
日曜日までに、舞台セットのイニシャルアイデアのフィックスを頼まれる。ちょっと厳しいので、月曜日までのばしてもらうことに。焦る。

6/24
焦った甲斐あって、セットが少しずつ形に。舞台上に大きなテレビを設置してみる。「舞台上にあるテレビモニタでいったん映像が上映されると、観客はそちらを見てダンスを見なくなる」とフォルティエは主張して譲らない。僕にしてみれば、生身の体の発する情報量の多さはテレビの比では無いような気がするのだけど。YCAMに来られていた石井達郎さんのトークを聴き、スタッフとみんなでに飲みに行く。

6/25
なにかの形で、フォルティエのアクションと映像が相互に絡む作品を、だいぶ前から松本にサポートしてもらっていろいろと試してきて、今日ようやく形になりそうなものがひとつできた。棒が木に、木が四角に、四角が幾何学模様にと、刻々と変化するインタラクティブアニメーション。もっと思わせぶりで、はかない相互性を。

南隆雄

■メディアアーティストとして参加の南隆雄さんの、1x60実現へ向けた日々の作業!  映像サポートのアーティスト松本さんと撮影で外部にいったり、スタジオ(劇場)にこもったり、着々と作品制作は進んでいます。 制作 四元

今日の30x30

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「30X30」がスタートして早1週間。
スタッフ内部でも「もう」と言う声と「まだ」と言う声が混在しています。
最初の3日間は、晴天に恵まれすぎて気温が30度近くにまで上がり体調を心配しましたが、
その後、一転梅雨空に戻り、雨の中でのダンスになりました。
今日26日も小雨。一の坂川は、昨夜の豪雨のため増水しています。
既に常連になって毎日のように観に来て頂いている方もありますし、評判を聞きつけて
初めて来られた方もいらっしゃいます。ダンスが始まるころには10席の椅子がうまって
しまいました。
フォルティエさんの長い手足が弧を描くと、その指先から飛び出したかのように雨空の
なかをツバメが旋回して行きます。
踊りが終わった後は、ご覧頂いたご婦人から差し入れまでいただきました。
さぁ、残り22日。

シアターディレクター 岸 正人
(写真 田邊アツシ )

June 20, 2006

ポール=アンドレ・フォルティエ Dance Project

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30日間、30分、街を背景に踊る野外連続ダンス公演
「30x30」いよいよ始まりました!
暑い日も、雨の日も、58歳のポール=アンドレ・フォル
ティエは道場門前・西門前商店街の間の一の坂川で踊ります。
(6月19日~7月18日 12:30〜13:00)

また、同時に山口情報芸術センターでは、劇場用作品
である新作「1x60」の制作もしています。

ここでは、いま山口で発展する「30x30」と、産声をあげる「1x60」
を、アーティストから、スタッフからライブにお伝えします。

制作 四元朝子

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