2015.1.24Sat & 1.25Sun
YCAM InterLabを中心に、ザ・フォーサイス・カンパニーの中心的ダンサーの安藤洋子とテクノロジーの専門家たちが、2010年から行ってきた研究開発プロジェクト「Reactor for Awareness in Motion(RAM=ラム)」。テクノロジーを通じて身体の可能性を拡げてきたプロジェクトの成果を、ダンス公演という形で発表します。
RAM(ラム)では、ダンスを予め決められた振付を踊るのではなく、ダンサーが環境との相互作用の中で生み出していくものとして定義しています。ダンサーは、他のダンサーの動きなど自分がいる環境から情報を選び取り、それに自分でルールを作りながら反応していくことで動きを生み出します。
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研究開発過程では、ダンサーの身体の動きをリアルタイムにキャプチャーし、それに連動するようにダンサーに仮想環境からのフィードバックを提示するシステムを開発。それによってダンサーの周りの仮想環境をプログラミングを使って自由にデザインすることで、ダンスのアイデアを引き出していくシステムを実現しました。
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本作ではそのデジタルシステムに加えて、箱庭と呼ばれる小さな実験室が登場します。そこには実際にさまざまな装置や自然物が置かれ、ダンサーの動きに連動して物理的な変化が起こります。さらにそのフィジカルな変化が、音や光としてステージやダンサーにフィードバックされ、さらに再び箱庭へと返ります。ダンサー、ステージ、箱庭が大きなシステムとして連鎖するダイナミックな作品にご期待ください。
個人を意味する英語「individual」の反義語は、一般的には集団や集合を意味する「collective」などがあてられます。individualという語の「in」は後に続く語を否定する意味合いがあり、その「in」を取り除いた「dividual」という言葉を思想家のジル・ドゥルーズ(1925〜95)があえて考案し、今でも「個別」、「集合」にまたがる複雑な定義について、経済や市民社会の構造、個人のアイデンティティなどさまざまな文脈で、いまだに考察がおこなわれていています。
安藤洋子がザ・フォーサイス・カンパニーを中心に培ってきた即興ダンスに対する姿勢には「個人のダンサーでありながら、集団でもあり得る、そしてそれぞれのダンサー(エージェント)が独立したダンスをしていながら、同時に他のダンサーたちと同期している」という考え方が根底にあります。
RAMという研究開発プロジェクトは、安藤がダンサーとして、意識していることを形にするところからスタートしました。
インスタレーション「Reacting Space for Dividual Behavior」(2011)
「Dividual Plays」では、この考え方を拡大し、コンピュータを介したシステムをダンサーたちが共有し、システムや他のダンサーたちと相互作用を起こしていくことで、新たなダンス表現、身体の姿、そして身体とテクノロジーの関係を描き出そうとしています。
2015年1月24日(土)19:00開演/1月25日(日)14:00開演
*各回30分前開場
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プロジェクト・ディレクション:YCAM InterLab
ダンスコンセプト・ディレクション:安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー)
共同研究開発
プログラミング・デバイスデザイン:大西義人、神田竜、ひつじ
研究開発コンサルティング:筧康明(慶應義塾大学)
ダンス:川口ゆい、小㞍健太、笹本龍史(METHOD B)
スペシャル・コラボレーター
空間デザイン:田根剛(DORELL.GHOTMEH.TANE/ARCHITECTS)
音楽・サウンドプログラミング:evala(port, ATAK)
2015年1月24日(土)/1月25日(日)終演後
様々な分野のクリエーター、研究者がRAMをハック。ユニークなアイデアをご紹介します。
前売:一般 2,500円/any会員・特別割引 2,000円、25歳以下 1,800円
当日:3,000円
チケット発売日:11月29日(土)
※特別割引:シニア(65歳以上)、障がい者及び同行者の介護者1名が対象
※未就学児入場不可
電話:083-920-6111
窓口:山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内)
(10:00-19:00 火曜休館、祝日の場合は翌日/年末年始休館12月29日-1月3日)
インターネット:当サイトより(24時間受付、要事前登録)
セブン-イレブン店頭:セブンコード 034-682
主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会、大阪ドイツ文化センター
平成26年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
本事業は宝くじの助成を受けて実施しています。
協賛:
共同開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
研究開発プロジェクト Reactor for Awareness in Motion(RAM)は、
2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。