YCAM InterLab + 安藤洋子
Reactor for Awareness in Motion(RAM) 2014-15公演

Dividual Plays ディヴィジュアル・プレイズ
身体の無意識とシステムとの対話

2015.1.24Sat & 1.25Sun

YCAM InterLabを中心に、ザ・フォーサイス・カンパニーの中心的ダンサーの安藤洋子とテクノロジーの専門家たちが、2010年から行ってきた研究開発プロジェクト「Reactor for Awareness in Motion(RAM=ラム)」。テクノロジーを通じて身体の可能性を拡げてきたプロジェクトの成果を、ダンス公演という形で発表します。
RAM(ラム)では、ダンスを予め決められた振付を踊るのではなく、ダンサーが環境との相互作用の中で生み出していくものとして定義しています。ダンサーは、他のダンサーの動きなど自分がいる環境から情報を選び取り、それに自分でルールを作りながら反応していくことで動きを生み出します。
ABOUTページへ

研究開発過程では、ダンサーの身体の動きをリアルタイムにキャプチャーし、それに連動するようにダンサーに仮想環境からのフィードバックを提示するシステムを開発。それによってダンサーの周りの仮想環境をプログラミングを使って自由にデザインすることで、ダンスのアイデアを引き出していくシステムを実現しました。
TOOLSページへ

本作ではそのデジタルシステムに加えて、箱庭と呼ばれる小さな実験室が登場します。そこには実際にさまざまな装置や自然物が置かれ、ダンサーの動きに連動して物理的な変化が起こります。さらにそのフィジカルな変化が、音や光としてステージやダンサーにフィードバックされ、さらに再び箱庭へと返ります。ダンサー、ステージ、箱庭が大きなシステムとして連鎖するダイナミックな作品にご期待ください。

タイトルについて

個人を意味する英語「individual」の反義語は、一般的には集団や集合を意味する「collective」などがあてられます。individualという語の「in」は後に続く語を否定する意味合いがあり、その「in」を取り除いた「dividual」という言葉を思想家のジル・ドゥルーズ(1925〜95)があえて考案し、今でも「個別」、「集合」にまたがる複雑な定義について、経済や市民社会の構造、個人のアイデンティティなどさまざまな文脈で、いまだに考察がおこなわれていています。
安藤洋子がザ・フォーサイス・カンパニーを中心に培ってきた即興ダンスに対する姿勢には「個人のダンサーでありながら、集団でもあり得る、そしてそれぞれのダンサー(エージェント)が独立したダンスをしていながら、同時に他のダンサーたちと同期している」という考え方が根底にあります。
RAMという研究開発プロジェクトは、安藤がダンサーとして、意識していることを形にするところからスタートしました。
インスタレーション「Reacting Space for Dividual Behavior」(2011)

「Dividual Plays」では、この考え方を拡大し、コンピュータを介したシステムをダンサーたちが共有し、システムや他のダンサーたちと相互作用を起こしていくことで、新たなダンス表現、身体の姿、そして身体とテクノロジーの関係を描き出そうとしています。

概要

日時

2015年1月24日(土)19:00開演/1月25日(日)14:00開演
*各回30分前開場

会場

山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA

-
プロジェクト・ディレクション:YCAM InterLab
ダンスコンセプト・ディレクション:安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー)

共同研究開発
プログラミング・デバイスデザイン:大西義人、神田竜、ひつじ
研究開発コンサルティング:筧康明(慶應義塾大学)
ダンス:川口ゆい、小㞍健太、笹本龍史(METHOD B)

スペシャル・コラボレーター
空間デザイン:田根剛(DORELL.GHOTMEH.TANE/ARCHITECTS)
音楽・サウンドプログラミング:evala(port, ATAK)

プロフィール詳細へ

関連イベント

「ポストトーク」

日時

2015年1月24日(土)/1月25日(日)終演後

    -
  • YCAM InterLab
  • 安藤洋子 (ダンサー)
  • 田根剛 (建築家)
  • 筧康明 (インタラクティブ研究者・デザイナー)

ゲストレクチャー
「超身体・脱身体・融身体」

日時

1月25日(日)16:00 [予定]

講師

「映像展示」

様々な分野のクリエーター、研究者がRAMをハック。ユニークなアイデアをご紹介します。

チケット購入

チケット情報(全席自由)

前売:一般 2,500円/any会員・特別割引 2,000円、25歳以下 1,800円
当日:3,000円
チケット発売日:11月29日(土)
※特別割引:シニア(65歳以上)、障がい者及び同行者の介護者1名が対象
※未就学児入場不可

チケット取り扱い

電話:083-920-6111
窓口:山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内)
(10:00-19:00 火曜休館、祝日の場合は翌日/年末年始休館12月29日-1月3日)
インターネット:当サイトより(24時間受付、要事前登録)
セブン-イレブン店頭:セブンコード 034-682

公演託児サービスのご案内

有料。1月17日(土)までにチケットインフォメーションへお申込みください。

車椅子・補聴システムのご案内

事前にお問い合わせください。
本イベントは終了しました。ご来場ありがとうございました。

プロフィール

YCAM InterLab
YCAM InterLab
山口情報芸術センター[YCAM]に附属する研究開発チーム。主にYCAMが委嘱作品として発表するインスタレーション作品やパフォーミングアーツ作品などの開発をおこなっている。また、メディアテクノロジーを芸術表現へ応用するための研究もおこなっており、国内外から研究者を招聘する共同研究などにも積極的に取り組んでいる。
安藤 洋子 Photo : Dominik Mentzos
安藤 洋子
1989年、舞踊家の木佐貫邦子に出会い、本格的にダンスを始める。振付家、笠井叡、山崎広太などによる多数のダンス公演に参加。1997年よりソロダンス作品を発表する傍ら、野田秀樹の作・演出によるNODA.MAP公演、坂本龍一「LIFE」などに出演。2001年には、ウィリアム・フォーサイスに認められ、フランクフルトバレエ団に入団。2005年以降、ザ・フォーサイス・カンパニーの中心的存在として世界の第一線で活躍。日本においても、自らの企画プロジェクトや外部カンパニーへのゲスト出演、振付けなど精力的に活動している。2011年には、YCAMとの共同開発によるインスタレーション「Reacting Space for Dividual Behavior」を発表。

スペシャル・コラボレーター

田根 剛 Photo : Alexandra Isard
田根 剛
1979年、東京生まれ。2006年、パリにて建築設計事務所・DGTをダン・ドレル、リナ・ゴットッメと共に設立。現在建設中の「エストニア国立博物館」(2016年完成予定)をはじめ世界各国でプロジェクトが進行中。2012年には新国立競技場国際設計競技で「古墳スタジアム」がファイナリストに選ばれ国際的な注目を集めた。ミラノ・デザインアワード2部門受賞(2014)など多数受賞。
evala Photo : 新津保建秀
evala
1976年生まれ。音楽家、サウンドアーティスト。port主宰、ATAK所属。先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外の音楽祭や美術展にてインスタレーションやコンサートの上演、 また公共空間、舞台、映画、広告メディアにおいて立体音響システムや先端テクノロジーを用いた多彩なサウンドデザインや楽曲提供を行なう。

共同研究開発

大西 義人 Photo : 平岡尚子
大西 義人
アーティスト。1986年生まれ。プログラミングを用いた精緻な絵画作品や、プログラム/電子回路/生物を素材とした彫刻作品などの制作。映像作家、デザイナー、ソフト/ハードウェアシステム開発者として、多くの作家のプロジェクトに参加している。
神田 竜
神田 竜
アーティスト・プログラマー。Kezzardrix名義で国内外の様々なミュージシャンのライブビジュアルやMVを担当。2013年には映像メンバとして参加する「SjQ++」でArs Electronica Awardof Distinctionを受賞。現代美術、舞台や、インスタレーション、デジタルサイネージやキャンペーン、iOSアプリ、webサイト等におけるインタラクティブな仕掛けのサポートプログラマとしても活動をしている。
ひつじ
ひつじ
プログラマー。1989生まれ、多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース(現メディア芸術コース)卒業。在学中はシステムや構造をテーマにした作品を制作、卒業後は映像制作や商業インスタレーション・デジタルサイネージ等の開発が主な活動。
筧 康明
筧 康明
インタラクティブメディア研究者・デザイナー、慶應義塾大学環境情報学部准教授。博士 (学際情報学)。人間の五感や物理素材の特性とデジタル情報を掛け合わせて、身体、道具、コミュニケーションを拡張するインタラクティブメディアを開発する。ACM SIGGRAPH、Ars Electronica Festivalなどで横断的に研究成果や作品を発表し、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。触感表現の普及活動TECHTILEを共同で立ち上げ たり、アートユニットplaplaxとしても活躍。
川口 ゆい Photo : Acci Baba
川口 ゆい
「ベルリンのベストダンサーの内の一人」(tanz誌)と呼ばれ、ベルリンを拠点に国際的に活動中。ドイツを代表するブレイクダンスチームFlying Stepsによる「Red Bull Flying Bach」オリジナルキャスト。作品はエコークラシック特別賞を受賞し世界中をツアー中。2010年、ソロ「アンドロポラロイド」でケルンタンツプライズを受賞。知覚研究者の渡邊淳司らと共に共同研究やワークショップも行う。2014年、映像作家・石橋義正とのコラボレーション作品「MatchAtria」を発表。
小㞍 健太 Photo : momoko japan
小㞍 健太
ローザンヌバレエコンクールにてプロ・スカラーシップ賞受賞。モナコ公国モンテカルロバレエ団、ネザーランド・ダンス・シアターに所属。キリアンスタイルの境地にいるダンサーと高い評価を得る。’10年ソロ活動開始。自作自演作品「のちのおもひに」をオランダコルゾ劇場、出雲大社にて公演。シルヴィ・ギエムイブニング、Noism1などにゲスト出演。振付作品「Inscription」(Noism2委託)、「Swell」(ベルギー王立バレエ学校委託)等。
笹本 龍史
笹本 龍史
2006年に渡米。以降、ネーサン・トライス、山崎広太、ラリー・ケイグウィン、シェン・ウェイ等、ニューヨークを代表する数々の振付家の作品に出演。2011年、米・ダンスマガジンが選ぶ「観に行くべき25人のダンサー」に選出。翌年には、ニューヨーク・ダンス・パフォーマンスアワード・ベッシー賞より「傑出したパフォーマー」としてノミネートを受ける。現在山口県下松市在住。

関連イベント

稲見 昌彦
稲見 昌彦
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。1994年東京工業大学生命理工学部生物工学科卒業。1996年東京工業大学大学院生命理工学研究科修了。1999年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。東京大学助手、電気通信大学教授、MITコンピューター科学・人工知能研究所客員科学者等を経て2008年4月より現職。自在化技術、Augmented Human、エンタテインメント工学に興味を持つ。現在までに光学迷彩、触覚拡張装置、吸飲感覚提示装置、動体視力増強装置など、人の感覚・知覚に関わるデバイスを各種開発。米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞、義塾賞、情報処理学会長尾真記念特別賞などを受賞。
アレクシー・アンドレ
アレクシー・アンドレ
インタラクション研究者・アーティスト。フランスの大学で修士号を取得した後、東京工業大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得。クレイジーな発想を持った研究者が集まる少数精鋭の研究所「ソニーコンピュータサイエンス研究所」で、最先端のインタラクションやアート、ゲーム、そしてデザインを研究している。
Team Twinkrun
構成員名:尾高陽太、川連一将、高橋岳士、原 健太
2013年新設の明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科1期生4人組。自由な発想でテクノロジーの新しい遊び方を模索し、頭にスマートフォンをつけて遊ぶ鬼ごっこ「Twinkrun」を開発。
RAMサマーキャンプ2014最優秀チーム Team Speed
構成員名:今西悠介、北川結、北堀あすみ、笹本龍史、中西泰人、原島大輔
身体の“速度”に注目したシーンを開発している。SUMMER CAMP後も自主的に集まっており、踊り手と身体の対話だけでなく、ダンサーとプログラマの対話を引出すRAMとMOTIONERの可能性を楽しんでいる。

CREDIT

主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会、大阪ドイツ文化センター
平成26年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
本事業は宝くじの助成を受けて実施しています。

協賛:

共同開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]

研究開発プロジェクト Reactor for Awareness in Motion(RAM)は、
2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。

pageTop
本イベントは終了しました。ご来場ありがとうございました。