カイル・マクドナルド

Kyle McDonald

ご自身の作品の寿命について考えることはありますか? どのようなことを考えていますか?
私の作品は、ギャラリーや美術館の文脈ではないところから始まりました。 このことは、多くの人がオンラインのドキュメンテーションを通じて、私の作品を経験したことを意味していました。 ドキュメンテーションが残るのであればうれしく思います。 そして、たとえ少数の人でも、人に話したくなるような個人的な経験ができるならば、さらにうれしいです。 私は芸術の最も長期的な影響は、作品に深く関心をもっているごく少数の人に生じると感じています。 これは、必ずしも遠い未来に残るような芸術作品や有用な技術を必要としません。芸術作品は誤読を招く可能性もあるでしょう。そして、作品の文脈を丹念に見ていくことによって深い教訓を得られることもあるのに、そのことから私たちを遠ざけることだってあります。
タイムマシーンで100年後に行けるとしたら、どのような形であなたの作品と出会いたいですか?
すべての私の作品が時間の経過とともに劣化し、ひどく誇張されて神話のように変身している様を見たいと思います。自分の作品のコアとなるアイディアや文化への影響が解説されている小さな本も探したいです。 その本は何カ国語かに翻訳されていて、私に影響を与えた人と私に影響を受けた人の両方を紹介している本であればいいなと思います。
人の死についての定義も様々ですが、もし「作品の死」を定義するとしたら、あなたはどのような状態が作品の死だといえると思いますか?
芸術は人の中で生き続ける。そして、芸術作品は人が関心を持たなくなったら、死んでいる。このことは、人が作品について話すのをやめること、または人々がそれについてもう考えない、あるいはそれがもはや誰にも影響を与えないことを意味しています。 また、どこかに作品の記録がある場合、芸術作品が生き生きと戻る可能性が常にあることを意味します。
YCAMに作られる「メディアアートの墓」に、ご自身の作品の中で入れたい作品はありますか?
もしあるなら、どの作品をどのような形で入れたいですか?
《ブラインド・セルフ・ポートレート Blind Self Portrati》という作品のマシンを送りたいです(参照:https://vimeo.com/44489751)。 これは、一見するとまったく問題ないように見えるものですが、だからこそ、ここで提示するのはいいかもしれません。しかし残念ながらハードウェアにバグがあり、当初の想定よりすべて2倍以上大きく描画してしまいます。これを修正するのは非常に難しく、新しいデバイスをゼロから完全に作る方が費用は安いかもしれません。
その他、ご意見ありましたらお聞かせください。