ARTISTS

岩井俊雄

岩井俊雄

Toshio Iwai

絵本作家/メディアアーティスト
1962年愛知県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。大学時代に実験アニメーション制作を始め、驚き盤やゾートロープなど19世紀の映像玩具を立体的に発展させた作品《時間層II》で1985年第17回「現代日本美術展」大賞を受賞。その後コンピュータを使った作品制作へと移行し、以後,国内外の多くの美術展にインタラクティヴな作品を発表、メディアアートの第一人者となる。また「ウゴウゴルーガ」などのTV番組のキャラクター・CGシステムのデザイン、ゲームソフト、三鷹の森ジブリ美術館の映像装置を手がけるなど活動領域を拡げ、1997年には坂本龍一とのパフォーマンスでアルス・エレクトロニカ・フェスティヴァル(オーストリア)インタラクティヴ・アート部門グランプリを受賞。2005年、ニンテンドーDS上で体験できるメディアアート作品として「エレクトロプランクトン」を発表。2007年、ヤマハと共同開発した音と光を奏でる楽器《TENORI-ON》は、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に永久保存されている。一方、2008年以降、娘との手作りおもちゃをきっかけに絵本制作にシフトし、現在は子どもたちのユニークなアイデアを引き出すワークショップにも力を入れている。著書に『岩井俊雄の仕事と周辺』(六耀社 2000)、『いわいさんちへようこそ!』(紀伊國屋書店 2006)、『アイデアはどこからやってくる?』(河出書房新社 2010)、絵本に『100かいだてのいえ』シリーズ(偕成社 2008-)、『ゆびさきちゃんのだいぼうけん』(白泉社 2017)など。文化庁メディア芸術祭大賞、芸術選奨文部科学大臣賞ほか、数多く受賞。

エキソニモ

エキソニモ

exonemo

アートユニット
千房けん輔と赤岩やえによるアートユニット。1996年にインターネット上で活動を開始し、以降、インターネットと現実空間、デジタルとアナログを自由に行き来しながら、ユーモアのある切り口と新しい視点を携えたプロジェクトを数多く手がけている。YCAMでは、2003年の開館記念展への参加、2006年と2011年には新作を制作・発表している。 2006年、《The Road Movie》がアルス・エレクトロニカでゴールデン・ニカ賞を受賞。2012年に組織したIDPWによるイベント「インターネットヤミ市」は、世界約20都市で開催されている。2015年、拠点をニューヨークに移し、NEW INCのメンバーなどを経て、現在活動の領域を拡大中。
exonemo.com
Photo by Niko

江渡浩一郎

江渡浩一郎

Koichiro Eto

国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員/ニコニコ学会β交流協会会長/メディアアーティスト

1997年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。在学中よりメディアアーティストとしてネットワークを使ったアート作品を発表する。1997年、アルス・エレクトロニカ賞グランプリを受賞(sensoriumチームとして)。1999年、アルス・エレクトロニカ賞栄誉賞受賞。2001年、「インターネット物理モデル」の制作に参加。日本科学未来館の常設展示となる。2010年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。2011年、ニコニコ学会βを立ち上げる。ニコニコ学会βは、2012年にグッドデザイン賞ベスト100、2013年にアルス・エレクトロニカ賞栄誉賞を受賞するなど高い評価を受ける。産総研では「利用者参画によるサービスの構築・運用」をテーマに研究を続ける。主な著書に『ニコニコ学会βのつくりかた』(フィルムアート)、『進化するアカデミア』(イースト・プレス)、『ニコニコ学会βを研究してみた』(河出書房)、『パターン、Wiki、XP』(技術評論社)。2017年、科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)受賞。ホームページ:http://eto.com/
撮影:本田雄士

ナムジュン・パイク

Nam June Paik

アーティスト
1932年、京城(現在のソウル)生まれの韓国系アメリカ人の現代美術家。ビデオ・アートのパイオニアとして知られる。
1949年、朝鮮戦争の渦中を逃れるかたちで香港、日本へと居を移す。東京大学卒業後、現代音楽を学ぶべく渡独。ドイツにて、ジョン・ケージに触発され、その後の、ジョージ・マチューナスとの出会いにより芸術運動フルクサスへと参加。1963年、ドイツのパルナス画廊で、初の個展「音楽の展覧会-エレクトロニック・テレビジョン」を開催。その中で、13台のテレビ受像機によるインスタレーションを展示。この作品は世界初のビデオ・アート展と位置づけられている。
パフォーマンスや映像作品を発表するほか、テレビを石庭の石に見立てたインスタレーション作品《TVガーデン》(1974)や《TV仏陀》(1974)など、テレビなどの映像技術と禅の世界観を融合させた作品を発表。世界中で同時発生するパフォーマンスを衛生中継にて配信する《グッド・モーニング、ミスター・オーウェル》(1984)などでも知られる。2006年没。

ラファエル・ロサノ=へメル

Rafael Lozano-Hemmer

アーティスト
1967年、メキシコシティ生まれのメキシコ系カナダ人アーティスト。物理化学の学士号を取得後、電子テクノロジーを通して、公共空間での人間の新しい関係可能性を追求する、数々の実験的なプロジェクトを実施。90年代後半にスタートした『リレーショナル・アーキテクチャー(関係性の建築)』シリーズは、都市空間に内在する交換性、交通性などをモティーフに、人々、建築、場の歴史などの要素を取り入れたサイトスペシフィックなプロジェクトとして、グローバルに展開されている。

高嶺格

高嶺格

Tadasu Takamine

アーティスト
1968年生まれ。90年代初頭より、パフォーマンスやインスタレーション、ビデオから工芸的手法まで多彩なアプローチの作品を発表。美術作品の傍ら、舞台作品、または舞台のコラボレーションも数多く手掛ける。90年代にダムタイプのパフォーマンスに参加。「性」の問題などにも触れながら、異なる背景や価値観を持つ他者への接触と困惑、更に相互理解を志向するプロセスを真摯に表現する。

八谷和彦

八谷和彦

Kazuhiko Hachiya

メディアアーティスト
1966年4月18日(発明の日)生まれの発明系アーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業、コンサルティング会社勤務。その後(株)PetWORKsを設立。現在にいたる。
作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》やメーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。2010年10月より東京芸術大学美術学部先端芸術表現科准教授。
撮影 米倉裕貴

徳井直生

徳井直生

Nao Tokui

アーティスト/研究者
東京大学 工学系研究科 電子工学専攻 博士課程修了。工学博士。ソニーコンピュータサイエンス研究所パリ客員研究員などを経て、2009年にQosmoを設立。AIと人の共生による創造性の拡張の可能性を模索している。
近作にAIを用いたブライアン・イーノのミュージックビデオの制作など。また、AI DJプロジェクトと題し、AIのDJと自分が一曲ずつかけあうスタイルでのDJパフォーマンスを国内外で続けている。

藤幡正樹

藤幡正樹

Masaki Fujihata

メディアアーティスト
メディアアートのパイオニアとして、1980年代にCG作品《Mandala1983》、《MIROKU_Maitreya》をSigGraph等で発表して話題となる。その後コンピュータによる彫刻作品《Geometric Love》、《Forbidden Fruits》を経て、90年代にはインタラクティブ作品《Beyond Pages》を発表、同作品は98年にドイツ、カールスルーへのZKMに収蔵される。96年に《Global Interior Project #2》が、オーストリア、リンツのアルス・エレクトロニカ・フェスティバルで日本人初のゴールデン・ニカを受賞。1992年の《生け捕られた速度》から2012年の《Voices of Aliveness》へと続く「Field-Works」シリーズは、動画にGPSによる位置情報を付加することで仮想空間と現実空間をつなぎ、記録と記憶の新しい可能性を実験し続ける作品群であり、評価が高い。2016年には、70年代から現在までの主だった作品をARを使って見ることのできるアーカイブ本《anarchive #6 Masaki Fujihata》をフランスで出版。現在は、記憶とアイデンティティをテーマにし、フォトグラメトリーとARで記録を再現するプロジェクト《BeHere》を香港で推進中。2015年に東京藝術大学を早期退職。2017年はリンツ芸術大学、2018年は香港バプティスト大学の客員教授。

梅田哲也

梅田哲也

Tetsuya Umeda

日用品や廃材といった身近なものを素材としたインスタレーション、都市空間や自然のなかでのサイトスペシフィックな作品を手掛ける。近年の展覧会に「歴史する!Doing history!」(福岡市美術館、2016年)、「札幌国際芸術祭2017」、「東海岸大地藝術節」(台東、2018年)、個展では「SCIENCE DE LA SUPERSTITION」(Instants Chavires、モントルイユ、2015年)、「See, Look at Observed what Watching is」(Portland Institute for Contemporary Art、ポートランド、2016年)など。劇場の機能にフォーカスした舞台作品や、中心点をもたない合唱のプロジェクトなど現地の人を巻き込んだパフォーマンス作品を手がけ、「Kunstenfestivaldesarts」(ブリュッセル、2017年)、「LIVEWORKS」(シドニー、2017年)、「Tectonics2018-2019」(グラスゴー/スタヴァンガー/アテネ)など、パフォーミング・アーツや音楽のフェスティバルにおいても作品を発表。
siranami.com
撮影:Bea Borgers