YCAM+カイル・マクドナルド ワークショップ「私はネットでできている?」


概要

インターネットにおける個人情報やプライバシーの扱われ方について考えるワークショップです(高校生以上を対象に実施)。参加者はゲーム型のアクティビティをおこなうことで、インターネットに支えられた自身の日常を振り返ります。

ワークショップの内容は例えば、インターネットにまつわるさまざまなアンケートに一斉に「Yes」「No」「…」の三択で答えながら、インターネットを利用する際、個人情報についてどれだけ意識してるかを思い起こすためのアイスブレイクや、YCAMがコラボレーターと開発したアプリケーションやウェブサービスを通じたアクティビティをおこない、企業が取得している個人情報の多様さや、インターネット上で流通する情報の中立性/客観性などについて考えていきます。参加者同士が、これからのテクノロジーや、コミュニケーションのあり方について、議論を深めていきました。


コラボレーター

カイル・マクドナルド

コードを用いて作品を制作するアーティスト。「openFrameworks」のようなアートとエンジニアリングのオープンソース・ツールキットの貢献者であり、アーティストたちが新しいアルゴリズムを創造的に利用するためのツールを開発している。アイデアや計画を完成前に公開し、共有する手法を採用しており、ネットワーク・コミュニケーションと演算をクリエイティブに覆し、グリッチや構造的なバイアスを探り出し、これらの概念を拡張して、アイデンティティから関係性まであらゆるものごとを転倒させるような作品を生み出している。またコンピュータービジョンとインタラクションを探求するワークショップも頻繁に企画している。

アドバイザー

スリヤ・マトゥ

アメリカ、ブルックリンを拠点に活動するリサーチジャーナリスト、アーティスト、エンジニアであり、アルゴリズムシステムが社会のシステミックバイアスや不平等を永続させる方法を研究している。 現在は The Markup で調査データジャーナリストとして勤務。以前は「ProPublica」で寄稿研究員を務め、アルゴリズムシステムがどのように人々を差別し、偏見を与えるかを明らかにするシリーズ「Machine Bias」に取り組んだ。Machine Bias は、Explanatory Journalism 部門でピューリッツァー賞の最終選考に残る。また、「Gizmodo」のスペシャルプロジェクトデスクや MIT メディアラボの客員研究員を務めた経歴がある。 これまで Haus der Kulturen der Welt/ベルリン、Museum of Art & Design/ニューヨーク、Whitney Museum/ニューヨーク、V&A Museum/ロンドン、Bitforms Gallery/ニューヨークなどで作品を発表してきた。


基本情報


Tool

鎖国ブラウザ

「鎖国ブラウザ」は、「わたしはネットでできている?」のために、YCAMがMan In the Middle攻撃(中間者攻撃)というサイバー攻撃の手法を参考にして開発したアプリケーションです。Man In the Middle攻撃とは、パソコンとサーバの通信途中に割り込み、通信内容の盗聴や改ざんをおこなう攻撃手法です。「鎖国ブラウザ」のアプリでは、参加者の通信にYCAMが割り込み、通信内容の盗聴や改ざんをおこないます。

鎖国エクスプローラー

「鎖国エクスプローラー」は、企業が取得している私たちの行動データをわかりやすく表示するウェブアプリケーションで、「アンラーニング・ランゲージ」の制作者の一人、カイル・マクドナルドが開発しました。現在、どなたでもアクセスして使用することが可能です。

まずはFacebookやGoogleアカウントのユーザーサポートの一環として公開されている、各企業が収集した自分のデータの1部をダウンロードします。それを「鎖国エクスプローラー」にドロップすることで、いつ・どこで・だれと・なにをしたのかをカレンダー形式で表示され、今までインターネットに蓄積された自分のデータを違った形で見ることができます。「インターネットが知っている私」をぜひ見てみてください。


レビュー

>AXIS レビュー

https://www.axismag.jp/posts/2021/03/339019.html

>Boundbaw レビュー

http://boundbaw.com/world-topics/articles/127


関連イベント

2020/02/11 鎖国[Walled Garden]プロジェクト トーク / YCAM + カイル・マクドナルド + スリヤ・マトゥ