卓越したメディア感性と技術を発揮するクリエーター集団「セミトラ」、初の個展。
「フォントにおける時間」をテーマに、YCAMの展示空間+WEBで作品を展開。

2003年の設立以来、ウェブデザインから、グラフィックス、インタラクティブデザインまで、メディアテクノロジーの最新形とデザインの領域をクロスオーバーさせるクリエイター集団「Semitransparent Design(セミトランスペアレントデザイン)」。 YCAMでは、ここから生まれたアートユニット「Semitra(セミトラ)」による新作個展「tFont/fTime(ティーフォント・エフタイム)」を開催します。
様々なコマーシャルウェブサイト、映像広告やディスプレイをはじめとした広告媒体(デジタルサイネージ)で注目される彼らのデザインワーク。本展では、フォント(文字書体)デザインに着目し、時間によってフォントが変容していくユニークなアイデアの新作を発表します。展示空間とともにウェブサイトからも観客が参加できるインスタレーションから展開します。

フォントが時間を作り出す。
新しいデザインアイデアによるインスタレーション+ウェブサイトでの展覧会。

タイトルの「tFont/fTime」とは、「時間フォント/フォント時間」をあらわし、フォントが時間によって変化していくプロセスを視覚化する新しい発想から、文字デザインを探求するこころみです。 本展では、近年急速に進展しているオリジナルフォントのデジタルデザインにとどまらず、フォントの変化・変形を、身体をつかって自由に触れたり、作ったりするストリートやスケートカルチャーのクリエイティブセンスを複合的に導入しています。 インタラクティブな要素を取り入れたインスタレーションは、観客が参加しながら体験できるほか、ウェブサイトを通じてアクセスすることもできます。



「tFont」は 2 次元であるフォントに時間軸を加えたものです。 一見でたらめな光の点滅に見える映像は、文字の軌跡を描画しており、シャッタースピードを落としたカメラなどで撮影することによって初めて読むことができます。このフォントのオリジナルは動的で読めない光の点滅であり、可読を獲得するためには写真を撮るなどの加工が加えられることになります。つまり「tFont」は他者によって加工/変形されることが前提に設計されたフォントです。そして、この加工/変形によって伝播していくウェブ的な文化に、ウェブクリエイティブの可能性を感じています。 今回 YCAM で展示する作品は、この「tFont」を使ったインスタレーションと、新作「fTime」をつかったインスタレーションを予定しています。「fTime」とは時間軸上にフォントを並べたもので、音楽を再生するようにフォントを再生するという試みです。 (田中良治/セミトラ)