監督を務めたのは近年公開された『きみの鳥はうたえる』も話題の三宅唱。本作は、山口市にあるアートセンター、山口情報芸術センター・通称「YCAM(ワイカム)」の研究開発チーム・YCAMインターラボと三宅監督が協働し、約8ヶ月の滞在制作を経て完成した青春映画である。実際にYCAMでおこなっている、採取した植物のDNAを解析し植物図鑑をつくるワークショップが物語の出発点。出演は映画制作に興味のある中高生たち。三宅監督と中高生たちが一緒に脚本や演出を考えながら撮影を重ねたことで、時に彼ら自身のナマの成長も記録されたまるで日記のような映画がうまれた。そして物語は次第に、当初は誰も予想していなかった展開に突入する。
ここは山口県山口市にあるアートセンター。大学1年生の中園うめは、「山口のDNA図鑑」というワークショップにファシリテーター(進行役)として参加している。参加者は、これから、自分たちが暮らす街の様々な場所を歩きまわり、どんな植物が生えているのかを調べていく。ウメは中学3年生のタケとシュンを連れ、「新しい種」を求めて近くの森を探索することに...。