独創的なインスタレーション

作品空間は、渦巻き型に横に連続する10面のマルチプロジェクションによる映像音響インスタレーションです。映像は基本的に<ラジオステーション>を題材にした移動撮影によるワンショットで構成されますが、それがツイン×5組の映像でプロジェクションされ、一方にはタルコフスキーの「惑星ソラリス」に登場する物体やゲルハルト・リヒターの絵画からのモチーフなどが投入された、引用と社会主義的現実空間とがないまぜになった陶惑的な優雅さに満ちた映像が展開されていきます。それらは現実でありながら、記憶を経由した2重の虚構として、同時に始まり絡まり合いながら微妙な差異を再生していきます。さらにYCAM展では、新たな映像素材として、「惑星ソラリス」にでてくる日本の赤坂周辺の1970年前後の首都高速の風景に、同景同寸のショットで撮影された、現在の東京の首都高速の風景が対比されていきます。

作品中に登場する建築物について
Palast der Republik(共和国会館)
DDR Rundfunkzentrum(ドイツ民主共和国ラジオステーション)

 

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