特集上映

音楽家が選ぶ、音楽映画

音楽家・坂本龍一が音と音楽に焦点をあてて選定した映画を特集上映します。ジャン=リュック・ゴダール「映画史」や溝口健二「雨月物語」、アンドレイ・タルコフスキー「ノスタルジア」など、20作品以上を上映予定。また期間中、岸野雄一による映画音楽に関するレクチャーも開催します。

第一期上映作品

ヌーヴェルヴァーグの映画音楽

「死刑台のエレベーター」

1957年/フランス/92分・35mm/ニュープリント版
監督:ルイ・マル
音楽:マイルス・デイビス
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー

社長の側近による殺人計画は完全犯罪を成し遂げたようにみえたのだが…。ノエル・カレフの犯罪小説を原作に斬新な演出を用いて映画化。

「二十四時間の情事」
1959年/フランス・日本/91分/35mm
監督:アラン・レネ
音楽:ジョヴァンニ・フスコ、ジョルジュ・ドルリュー
出演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次

敵兵と密通した過去を持つ女優が8月6日、ロケのために広島を訪れ、そこで出会った男と1日限りの情事に耽る。マルグリット・デュラスの原作を映画化。

「シェルブールの雨傘」
1963年/フランス/91分/35mm
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドブーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ

傘屋で働いている娘と工員の青年が愛し合いながらも、戦争によって引き裂かれる悲恋を描いたミュージカル。

「気狂いピエロ」
1965年/フランス/109分/35mm
監督:ジャン=リュック・ゴダール
音楽:アントワーヌ・デュアメル
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ

退屈な生活から逃げ出したいと思っていたフェルディナンとマリアンヌのアナーキーな逃避行の毎日を描く。

ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちに影響をあたえた溝口健二

「雨月物語」
1953年/日本/96分/35mm
監督:溝口健二
音楽:早坂文雄
出演:京マチ子、水戸光子、田中絹代

貧しい男が美女と知り合うが、彼女の正体は、死霊だった…。上田秋成の『雨月物語』から「朝芽が宿」と「蛇性の姪」を脚色して映画化。
*岸野雄一氏によるレクチャーあり。

名画の中の映画音楽

「キング・コング」

1933年/アメリカ/100分/DVD
監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック
音楽:マックス・スタイナー
出演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング

南の島からNYへ連れてこれらた巨大なゴリラが、大暴れしていく。当時のアメリカの世相も背景に描かれた大ヒット映画。

「市民ケーン」
1941年/アメリカ/119分/DVD
監督:オーソン・ウェルズ
音楽:バーナード・ハーマン
出演:オーソン・ウェルズ

新聞王として知られる人物の生涯を描いたアメリカ映画の傑作。監督・製作・脚本・主演のオーソン・ウェルズは当時24歳。
*山口市立中央図書館協力上映

「美女と野獣」

1946年/フランス/90分/DVD
監督:ジャン・コクトー
共同監督:ルネ・クレマン
音楽:ジョルジュ・オーリック
出演:ジャン・マレー、ジョゼット・デイ

プランス・ボーモン夫人の童話を原作に、多彩な才能を持つジャン・コクトーが、幻想的に描いた愛の物語。

参加作家
日時

7月17日 (水) 13:30「気狂いピエロ」
7月18日 (木) 13:30「二十四時間の情事」、19:00 映画史特別編選ばれた瞬間
7月19日 (金) 13:30「雨月物語」、16:00「シェルブールの雨傘」、19:00「死刑台のエレベーター」
7月20日 (土) 10:15「二十四時間の情事」、12:15「雨月物語」、14:00 岸野雄一レクチャー 18:30 映画史特別編選ばれた瞬間
7月21日 (日) 10:30「気狂いピエロ」、13:00「シェルブールの赤傘」、15:00「死刑台のエレベーター」
7月22日 (月) 11:00「美女と野獣」14:00「市民ケーン」、18:00「キング・コング」
※7月22日(月)は終日無料上映

会場 YCAM スタジオC
料金 全席自由
一般:1,000円/any 会員・25歳以下・特別割引:500円
【回数券3回】
一般;2,500円/any 会員・25歳以下・特別割引:1,300円
その他

関連イベント

  • 岸野雄一レクチャー

    岸野雄一が、「雨月物語」を題材に、それぞれの作品におけるサウンドトラックの効果や可能性も含め分析していきます。
    講師 岸野雄一
    日時 7月20日 (土) 14:00 ~ 17:00
    会場 YCAMスタジオC
    料金 無料 (先着順)

プロフィール

  • 岸野雄一(キシノ ユウイチ)

    ミュージシャン、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗り活動中。自身のプロジェクト『ヒゲの未亡人』『WATTS TOWERS』等での活動のほか、自身が主宰するレーベル"Out One Disc"も話題を呼んでいる。『スコラ 坂本龍一音楽の学校』では、映画音楽編の監修を務め、東京藝術大学大学院や美学校では/サウンド・デザイン、映画音楽学の教鞭を執っている。戦前の日活、戦後の東映で名悪役としてマキノ正博、稲垣浩作品等で活躍した仁礼功太郎は大叔父にあたる。

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