YCAM爆音上映会
繊細な大音響で映画を観る目が変わる
映画評論家/boid主宰の樋口泰人氏が、吉祥寺バウスシアターを拠点に全国各所で開催している「爆音映画祭」がYCAM初登場。音楽ライブ用の音響セッティングを使い、大音響の中で映画を視聴する「爆音映画祭」では、映画を大音量で観ることにより、その映画における音の核心はどこにあるのかを追求していきます。また、演奏家の解釈によって、歴史上何度も上映され続けている無声映画に音楽がつけられる上映+即興演奏会を併せて開催します。
「ジャンゴ 繋がれざる者」
2012年/165分/アメリカ/35mm/R15+
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス。レオナルド・ディカプリオ、クリストフ・ヴァルツ
南北戦争勃発直前のアメリカ南部を舞台に奴隷のジャンゴが、賞金稼ぎのキング・シュルツと共に同じく奴隷となった妻を取り戻す為に奮闘する姿を描く。
「ブンミおじさんの森」
2010年/114分/イギリス・タイ・フランス・ドイツ・スペイン/35mm
監督:アピチャッポン・ウィラーセタクン
出演:タナパット・サイサイマー、ジェンチラー・ボンバス
ある夜、死を間近にしたブンミおじさんが家族と共に食事をしていると、19年前に亡くなった妻が現れる…。美しく斬新な映像と音響を体感する傑作。
「右側に気をつけろ」
1987年/81分/フランス/デジタル
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・ペリエ
ゴダールが演じる白痴と呼ばれる男、新しい音を求めるミュージシャン、異星人のような男の3人を主軸にした3つの物語が同時進行していく。
「コンボイ」
1978年/110分/アメリカ/35mmフィルム
監督:サム・ペキンパー
出演:クリス・クリストファーソン、アリ・マッグロー
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
アメリカの大型トラックの運転手を題材にしたウエスタンソングを元にして制作された映画。
「We Can’t Go Home Again」
1973年/93分/アメリカ/デジタル
監督:ニコラス・レイ
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の映画学校の講師として招かれたニコラス・レイが学生たちをキャストやスタッフに起用して監督した作品。
「ゾンビ」(HDリマスターディレクターズカット版)
1978年/139分/アメリカ・イタリア/デジタル
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:デヴィッド・エムゲ、ケン・フォーリー
死体のまま蘇ったゾンビが次々と人々を襲い始めた都市から、脱出を試みようとする若者たちの姿を描く。
「国道20号線」
2007年/77分/日本/デジタル
監督:富田克也
出演:伊藤仁、りみ、鷹野毅
かつて、暴走族だったヒサシは同棲するジュンコとパチンコに通う日々。そんな彼に昔からの友人小澤がある話を持ちかける…。
「RAP IN TONDO」+空族トークイベント
*YCAM爆音上映会にご来場いただいた方は無料(要半券)
2011年/60分/デジタル
企画:富田克也
撮影:富田克也 河上健太郎
構成・編集:高野貴子
空族制作ドキュメンタリー。フィリピンのトンド地区に招かれた日本のヒップホップグループのメンバーと地元のヒップホップのコミュニティの交流を描く。
トークイベントゲスト:富田克也、相澤虎之助
参加作家 | |
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日時 | 8月23日(金) 12:00「ジャンゴ」 16:00「ブンミおじさんの森」 19:00 牧野貴×ジム・オルーク ライブ上映 8月24日(土) 13:30 Hair Stylistics(中原昌也)無声映画ライブ 15:30「右側に気をつけろ」 18:00「We Can’t Go Home Again」 20:30「ゾンビ」 8月25日(日) 10:15「コンボイ」 13:15「国道20号線」 15:30「RAP IN TONDO 空族トークイベント」 |
会場 | YCAMスタジオA |
料金 | 全席自由 一般:1,300円/any 会員・25歳以下・特別割引:800円 [回数券3回] 一般:3,000円/any 会員・25歳以下・特別割引:2,100円 チケット発売日:6月29日 (土) |
その他 |
関連イベント
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牧野貴×ジム・オルーク ライブ上映
2012年にロッテルダム国際映画祭で日本人初のタイガーアワードを受賞、2013年には、北米最古のインディペンデント映画祭、アナーバー映画祭で、ベスト・オブ・インターナショナルフィルム賞を受賞した映像作家・牧野貴の作品上映と、ライブ上映「Space Noise」を牧野と音楽家ジム・オルークがパフォーマンスも併せて演奏します。
『still in cosmos』
2009年/17分
音楽:ジム・オルーク
『Generator』
2011年/19分
音楽:ジム・オルーク
『Space Noise』ライブ上映
約40分
演奏:牧野貴、ジム・オルーク
*「Space Noise」は、ヴィデオプロジェクターと16ミリ映写機、スモークマシンを使用して行われるライブ上映です。不規則に変化し続けるフィルムループから溢れる光は増幅を続け、スクリーン上でヴィデオイメージと衝突し常に新しい映像を創造し続けます。また、スモークマシンを使用する事により、空間全てが虹色の光線に満たされる事になります。そこに作家本人が生演奏で音楽をつける事により、その場でしか発生し得ない映画体験を創造し、追求します。
参加作家 牧野貴、ジム・オルーク 日時 8月23日(金)19:00開場/19:30開演 会場 YCAM スタジオA 料金 入場料:一般 2,500円、any/25歳以下/特別割引 2,000円 当日券:3,000円 -
Hair Stylistics(中原昌也)無声映画ライブ
作家としてだけでなく音楽家としても知られる、中原昌也が無声映画に併せて即興で演奏をつけていきます。無音の映画だからこそ観るものに迫るダイナミックな映像に、サウンドトラックがつけられることによって映画の見え方が変容していく上映ライブです。
「ルイス・ブニュエルの黄金時代」
1930年/フランス/60分
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ
出演:ガストン・モドー、リア・リス
「アンダルシアの犬」と同様にルイス・ブニュエルが画家であるサルバドール・ダリと組んで演出した前衛的な作品。
参加作家 Hair Stylistics(中原昌也) 日時 8月24日(土)13:00開場/13:30開演 会場 YCAM スタジオA 料金 入場料:一般 2,500円、any/25歳以下/特別割引 2,000円 当日券:3,000円
プロフィール
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牧野 貴(マキノ タカシ)
映画作家
2001年日大芸術学部映画学科撮影・現像コース卒業後、単独で渡英、ブラザーズ・クエイに師事。主に映画音楽と撮影、照明について学ぶ。その後舞台照明作家として全国を旅し、東京芸術劇場、全国のメルパルクホール等で照明を担当。2005年より単独上映会を開始。フィルム、ヴィデオを駆使した、実験的要素の極めて高い、濃密な抽象性を持ちながらも、鑑賞者に物語を感じさせる有機的な映画を制作している。
また、ジム・オルーク、ローレンス・イングリッシュ、コリーン、マシネファブリーク、カール・ストーン、タラ・ジェイン・オニール等、世界最高峰の音楽家との多岐にわたる共同作業においても、世界的に高い評価を獲得している。2009年には上映組織「+」プラスを立ち上げ、今まで日本に紹介される事の無かった特別な映画作品を上映している。2011年より自身によるサウンドパフォーマンスを開始、最新作『2012』のサウンドトラックは毎回異なるライブ演奏となる。作品の発表は主に映画祭、映像芸術祭、音楽祭、芸術祭などの他、映画館、美術館やギャラリー、ライブハウスでも行う。 -
ジム・オルーク
1969年シカゴ生まれ、音楽家。
少年時代に、デレク・ベリーの音楽に出会い、その音楽に触発された後、ギターの即興演奏や実験的な音楽を多く手がけるようになる。ソロ作品を発表する傍ら、坂田明、フェネス、オーレン・アンバーチなどとのコラボレーションや、ジョン・フェイヒー、ステレオ・ラヴ,ファウスト、ソニック・ユースなどをプロデュース、2004年には、《Wilco/A ghost is born》のプロデューサーとしてグラミー賞を受賞している。映画では、ヴェルナー・ヘルツォーク、オリヴィエ・アサイヤス、若松孝二などの作品のサウンドトラックを担当。また、映画監督としても活動し、2004年と2006年にはホイットニー・ビエンナーレで、その作品が上映されている。 -
Hair Stylistics(中原昌也)
1970年東京都生まれ。
88年頃よりMTRやサンプラーを用いて音楽制作を開始。90年、アメリカのインディペンデントレーベルから「暴力温泉芸者=Violent Onsen Geisha」名義でスプリットをリリース。ソニック・ユース、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンらの来日公演でオープニング・アクトに指名され、95年のアメリカ・ツアーを始め海外公演を重ねるなど、日本以外での評価も高い。97年からユニット名を「Hair Stylistics」に改め活動、自らアートワークを手がけた数多くのCDやCD-Rのシリーズを発売している。 音楽活動と並行して小説、映画評論も手掛け、2001年に『あらゆる場所に花束が……』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞、2008年には『中原昌也作業日誌』で第18回ドゥマゴ賞を受賞した。その後文学界から遠く離れていたが、2011年には自伝『死んでも何も残さない』、12年には短編集『悲惨すぎる家なき子の死』を刊行した。同年、毎回1本の新作と、1本の旧作を取り上げての映画評「エーガ界に捧ぐ」を発表。
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