8月14日: 開発最終日

開発の様子

滞在8日目。今日でいよいよ開発の最終日です。濃密な1週間でした。

それぞれのワーキングチームごとに、今回の会議の成果をふまえて、今後の指針を策定する作業を行いました。Google Documentを用いて、最終的にひとつのドキュメントにまとめます。

ドキュメントを見返してみると、この会議で本当に多くのことが話し合われたのだということを改めて実感します。この成果をもとに、openFrameworks v.1.0に向けてのロードマップのドキュメントを策定していくことになりました。

openFrameworks v1.0に向けてのロードマップ

書き上げられたopenFrameworks v1.0にむけてのロードマップの内容は膨大なもので、また、現在の段階では開発チーム内部での情報であり、完全にオープンにすることのできません。ですので、そのアウトラインのみの公開とします。しかし、このアウトラインを眺めるだけでも、今後の開発の向かう方向は感じられるのではないかと思います。

YCAMツアー

今日でYCAMに居られるのも最後なので、開発チームでツアーを行いました。現在YCAMは10周年を迎えて様々な展覧会、イベント、パフォーマンス、ワークショップなどが行われています。その中から、YCAMスタジオB、2階ギャラリーほかで開催中の展覧会「art and collective intelligence」を見学しました。

開発チームには、自分自身もアーティストとして活動しているメンバーが数多くいるため、いわば「同業者」として様々な展示が興味深く感じられているようでした。じっくり時間をかけて展示に見入っている様子から、その真剣さが伝わってきました。

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1週間レポートして

openFrameworks開発者会議に参加して、1週間。密度の濃い時間を過ごすことができ、本当にあっという間の出来事でした。筆者にとって開発者会議に出るのは前回のデトロイトに次いで2回目。前回と共通する部分がある一方で、今回新たに発見した部分も数多くありました。最後に会議全体を振り返ってみたいと思います。

開発者会議にを通して強く感じたことは、openFrameworksコニュニティーのオープンな姿勢とその親切さです。

今回の開発者会議は、Zach LiebermanさんやTheo Watsonさん、さらにはその師匠格のGolan Levinさんという開発の中心人物が都合で参加できず、比較的若い世代が中心となったメンバーでした。前回の会議のリーダー的な存在を欠き、果たして大丈夫だろうかという心配もありました。しかし、蓋を開けてみれば、Kyle McDonaldさんが中心となり、メンバーそれぞれがお互いを尊重し合いながらも、遠慮のない活発に議論が行われる、とても良い雰囲気の場が形成されていました。

それぞれの開発者達は、もちろん優れたプログラマーばかりなのですが、そうしたギーク達から想像されるような「変人」的な人は居ませんでした。どの方もコミュニケーションのインターフェイスをきちんと持った、協調性の高い人達が集まっているという印象を受けました。

そして、全体を通して強く感じるのは、そのオープンな姿勢です。会議への参加資格が明確に定められているわけではなく、openFramworksの開発に参加したいという意思さえあれば基本的には誰でも参加できます。そして初めて参加するメンバーに対しても、とてもオープンで親切な対応をしてくれます。

こうしたコミュニティーの「空気」は、openFrameworksの創始者であるZach Liebermanさんの人柄によるところも大きいのかもしれません。しかし、それ以上に、いかにコミニティーの健全さを維持するのかということを、それぞれのメンバーが常に配慮しながら活動を進めているように感じられました。

こうしたコミュニティーに通底している空気やカルチャーのようなものは、集団で開発する際にとても重要な要素だと強く思います。開発者達は、基本的にはopenFrameworksの開発をすることで金銭的な見返りがあるわけではありません。それでも積極的に数多くのプログラマーが世界中から集結し開発に参加する理由は、openFrameworks自体がとても便利なフレーワークであるということはもちろんですが、それと同時にコミュニティーへ貢献したいという気持にさせるチームとしても魅力があるのだと思います。

YCAMで開催された意義

今回の開発者会議は、アメリカ以外の場所で最初に開催された初めての会議です。いままでは、開発メンバーの出身地はアメリカとヨーロッパ圏がほとんどで、アジア地域からの参加者はほとんどいませんでした。しかし、今回YCAMで開催されることで、4人の日本人が参加できた意義は大きいと思います。次回の開催地はどこかはまだ未定ですが、ぜひ次回も日本からの参加者が増えると良いと思います。

また、この場を借りてYCAMのスタッフの方々に、深い感謝の意を表したいと思います。。毎回の食事は素晴しく、開発の合間にとても楽しい時間を過ごすことができました。また、多くのスタッフの方々の木目細かなサポートは開発の多大な支えとなりました。そして、何といっても、YCAMの強みは、Interlabのメンバーを初めの多くのスペシャリスト達による技術的なサポートだと思います。ここまで規模の設備と人的な資本が充実した施設は、日本国内ではもちろん、世界中を見渡しても数少ない、とても貴重な場所だと思います。このYCAMで開発者会議を開催できた意義はとても大きいものでした。

今日の食事

お昼は、牛肉ともやしの炒め物や、唐揚げ、わかめ、などいろいろなおかずをおにぎりと一緒に。

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夜は、会議終了の打ち上げ! お寿司が最高に美味でした。

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おまけ

ギークは、スケボーだってできるんです。

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最終日の打ち上げ、夜更けまでカラオケで盛り上がりました…

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posted by Atsushi Tadokoro

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