一直線上にいくつの点があるか?
数の数とは何か?
いかにしてランダムなものを真にランダムであると検証できるか?
data.tronとdata.filmは、そうした問いを探求するアートプロジェクトdatamaticsの一環です。見る者は、0と1の間に広がる無限の中で、巨視的かつ微視的に膨大なデータの宇宙を体験することになるでしょう。
data.tronは、純粋数学や膨大なデータの組み合わせによって構成される映像と、それとは対照的な微細なサウンドによるオーディオビジュアル・インスタレーション作品です。巨大に映し出された画面において、各ピクセルは厳密な計算と配列により、グリッド集積体として二次元表象に完全に最適化され、そして見る者との物理的距離によって、純粋な光のムーヴメントとして三次元体験へと変換されます。さらに、膨大な演算ステップ数の高速処理による圧倒的なスピードと、それを監視するように刻まれるサウンドとの対比と同期は、われわれ見る者の知覚を最大限に高め、存在や身体全体が作品の中に没入することになります。
コンセプト・コンポジション:池田亮司
コンピュータグラフィクス:松川昌平
共同制作:ル・フレノア国立現代芸術スタジオ、Forma
〈2007年作品〉