GRP Contract Form

はじめに / GRP Contract Form / MANUAL / ISSUES

GRPContractFormについて

GRPContractFormは、クリエイティブでオープンな恊働の枠組み(=フレームワーク)を実現する、共同研究開発契約書のひながたです。いわゆるオープンソースコードと同様に、多くの人々が自由に利用し、改変し、派生物を生み出せるようにするため、GRPContractFormを公開します。 このひながたが具体的に対象とするのは、アートセンターや劇場など、クリエイションを行う組織がアーティストやエンジニアを招いて、先進的なテーマについて滞在制作の形式で共同研究を行い、その成果をオープン化(=誰もが一定の範囲内で自由に利用できるようオープンライセンスを付して公開すること)し、更なる派生や発展を促す、という共同研究開発プロジェクトです。GRPContractFormは、このようなプロジェクトのフレームワークを実現するソースコードであると言っても良いでしょう。

このひながたは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもとに公開されています(*)。利用者はライセンスの範囲で、自分たちのプロジェクトのためにアレンジ/フォークし、実利用することができます。Github上での更新リクエストも歓迎します。

(*)クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは著作物を前提とするライセンスですが、契約書ひながたが著作物であるか否かについては議論があります。しかし、本プロジェクトでは、メディアアートの新しい恊働のフレームワークを実現する契約書やそれに関連する情報を広く共有することが重要であると考え、一つの試みとして契約書にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを付与しています。

開発履歴

2013.3 Ver.1公開
2014.9 Ver.2公開 以下の項目に対応 (MEDIA/ART KITCHEN YAMAGUCHI対応)
・複数のコラボレーターが同時に研究開発を行う環境への対応(成果物の権利の帰属)
・データ公開時のCC0の適用規定(公開およびオープンソース・ライセンスの付与)
・ガイドラインの参照
・主催者所有となった有体物の扱いの規定(有体物の権利の帰属)
・用語の定義条項を追加(定義)
・各種表記の追加・変更: 報酬表記(税抜きから税込みへ)(委託料)、租税免除対応についての表記(租税免除の手続)、公開についての規定(公開およびオープンソース・ライセンスの付与)
・文言修正(“リサーチャー”を”コラボレーター”に、”目的”にクリエイティビティの向上を追加、”保証等”から”保証”へ)

GRPContractFormの特徴

このひながたは、YCAM Interlab Guest Research Projectを実施するために、アートセンターとアーティスト/技術者との間で実際に使用された契約書をもとに、作成されています。 研究内容や滞在期間、費用といった、一般的な共同研究や滞在製作に必要な事項はもちろん、成果(*)の公開とその効果を高めるための項目が含まれていることが最大の特徴です。例えば、成果の権利の扱い、ライセンスや公開の方法、さらにクレジットやメンテナンスについて定めています。 また、ゲストリサーチャーを外国から招聘することを前提としており、そのために必要な国際的な事務手続(ビザ、租税条約関連)、保険、国際輸送についての項目も盛り込んでいます。パートナーシップについては、主催者とゲストリサーチャーとのフェアな関係の実現を目指しています。

役割分担を明確化し、適切に設計された契約は、アートセンターとアーティスト/技術者との間の信頼関係を強め、研究開発の効率を高めます。また、契約書はプログラムコードに非常に良く似ており、両者の交錯に大きな可能性があるとも考えます。共同研究において、契約の内容はクリエイションに大きな影響を与え、その恊働のフレームワークを実現する契約書は、プログラムコードと同様に恊働して開発することができる、つまり、契約書を通じてクリエイションのフレームワークをプログラムコードと同様に発展させることができるということです。オープン化や恊働がより大きな意味を持ちつつある現在において、このひながたの公開が、今日的なクリエイションのフレームワークが発達する一助となればと考えています。

(*)現状では、成果としてソフトウェア、ハードウェア、コンテンツを主に取り上げています。


利用事例


Guest Research Project vol.2 – Composition tools for Generative Media

YCAM InterLab+安藤洋子 共同研究開発プロジェクト「Reactor for Awareness in Motion」

MEDIA/ART KITCHEN YAMAGUCHI

つかいかた

GitHubからダウンロードして利用できます。GRPContractFormはソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービスであるGitHub上で公開・開発しており、オープンソースコードと同様に、誰でも改変や派生物の制作に参加できます。【 】でくくられた部分は、契約書ごとに適切な内容に変更する必要が有ります。また、この契約書はあくまでひながたですので、その他の条項についてもプロジェクトに応じてアレンジして下さい。 詳しくはMANUALを参照ください。

ライセンスとクレジット

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス GRP Contract Form 企画制作: Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM] 立案・作成: YCAM InterLab 監修: 水野 祐(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、弁護士) 協力: ドミニク・チェン(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン) GRP Contract Formはクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。 YCAMlogo

『GRP Contract Form』はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス【表示-継承 4.0 国際】で提供されています。なお、本ライセンス8.c.の規定にしたがい、本ライセンス3.a.に規定する【表示】に関する条件または権利を明示的に放棄いたします。したがいまして、本同意書の派生物をつくる方は、本ライセンスが求める権利者名の表示を行わないでも、本同意書を利用することができます。
それぞれのイベントで使用する場合には、それぞれのイベントに合わせて改変し、その結果を公開する場合には、同じライセンスの元で公開してください。また、改変の際には可能なかぎりGitHub上でforkし、派生関係がわかるようにしてください。公開の際には可能な限り権利者名の表示をしてください。

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