YCAMにおけるオープン化の試み

山口情報芸術センター[YCAM]では、これまでいくつかのプロジェクトにおいて、成果をオープン化*してきました。このドキュメントはこうしたプロジェクトをまとめたものです。

 

*オープン化 = 第三者が一定の範囲で自由に利用できるように公開すること

2015 YCAM スポーツ・ハッカソン (2015)

2015 YCAM Sports Hackathon の参加者のための同意書 (2015)

Think Things ―「もの」と「あそび」の生態系 (2015)

Think Thingsで制作した「あそび」の公開についての同意書 (2015)

Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013-2015)

Forest Symphony (2013)

YCAMサマースクール (2013)

YCAMサマースクールでの成果公開の同意書 (2013)

GRP Contract Form (2013)

Guest Research Project vol.2 (2012)

EyeWriter 2.0 のつくりかた (2012)

Guest Research Project vol.1 (2011)

Choreography filmed: 5days of movement (2011)

2015 YCAM スポーツ・ハッカソン (2015)

fs

「2015 YCAM スポーツ・ハッカソン」は新しいスポーツの形や作り方、楽しみ方を実践する合宿形式のワークショップです。
「開発/改変(ディベロップ)」と「実践(プレイ)」を同時におこなう「デベロップレイ」を中心に据え、頭と身体をフル回転して、新しい「種目」「運動会」を作り上げていきます。1日目はアナログ、デジタルを問わない様々な道具を開発/改変し、2日目はそれらを使った種目のルールや形式を考案。最終日の3日目には、山口市民をはじめとした一般の人々を招いて、2日間で作り上げた「未来の山口の運動会」を実施します。
「2015 YCAM スポーツハッカソン」で制作されたスポーツに関するドキュメント(文書や画像など)を、オープン化しました。 (“2015 YCAM Sports Hackathon の参加者のための同意書”を採用しました。)

成果とライセンス

成果 ライセンス / ツール
制作されたスポーツに関するドキュメント Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

2015 YCAM スポーツ・ハッカソン

利用事例

成果の公開事例
2015 YCAM スポーツハッカソン / 山口の未来の運動会

成果 記録/公開件数
制作されたスポーツに関するドキュメント 10 (制作された全種目)

fs

 

成果とライセンス

成果 ライセンス / ツール
同意書のひながた Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

2015 YCAM Sports Hackathon の参加者のための同意書

利用事例

2015 YCAM スポーツ・ハッカソン

2015 YCAM スポーツハッカソン / 山口の未来の運動会

Think Things ―「もの」と「あそび」の生態系 (2015)

fs

photo: Gotthingham

「Think Things ―「もの」と「あそび」の生態系」は新たな学びや創造の場を生み出す参加型展覧会です。展覧会そのものを開かれた「実験と創造の場」と捉え、来場者自身がYCAMの研究開発のサイクルに参加する仕組みづくりを目指します。人間の最も根源的かつ創造的な行為「あそび」と、それを引き出す「もの」の関係性をテーマの中心に据え、会期中におこる様々なイベントやワークショップを通じて、人から人へ、あそびのアイデア自体が流動的に循環していく生態系を来場者とともにつくりあげます。
このThink Thingsで参加者が制作したあそびの記録”あそログ”を、オープン化しました。 (“ThinkThingsで制作した「あそび」の公開についての同意書”を採用しました。)

成果とライセンス

成果 ライセンス / ツール
あそログ (あそびの記録) CC0

ウェブサイト

Think Things―「もの」と「あそび」の生態系

利用事例

参加者による成果の公開事例

あそログ

成果 記録/公開件数
あそログ (あそびの記録) 730件 (2015/10/10)

fs

2015年、YCAMは新たな学びや創造の場を生み出す参加型展覧会「Think Things ―「もの」と「あそび」の生態系」を開催しました。
参加者が制作した
あそびの記録 “あそログ” を、主催者がCC0やクリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどを用いてオープン化できるとする同意書を作成、使用しました。さらに、他のワークショップ主催者などがこの同意書を利用できるよう、この同意書をオープン化しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス / ツール
同意書のひながた Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

Think Thingsで制作した「あそび」の公開についての同意書

利用事例

Think Things―「もの」と「あそび」の生態系

あそログ

Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013-2015)

Reactor for Awareness in Motion (RAM) は、ダンサーという存在を、振付家によって予め決められた振付を再現する存在ではなく、環境の中で主体的に情報を発見し、豊かな動きのイマジネーションを見出していく存在として規定し、そのための〈反応装置〉(=知覚と思考のツール)をダンサーにもたらすことを目的とした研究開発プロジェクトです。ローコストの慣性式モーションキャプチャーシステムである”MOTIONER”および、クリエイティブなダンスのための環境を作り出すC++のツールキット”RAM Dance Tookit”を開発し、オープン化しました。また、本プロジェクトでは、プロジェクトに参加する外部の専門家との契約に、GRPContractFormを採用しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス
ソフトウェア Apache License 2.0, GPL
ハードウェア Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

Reactor for Awareness in Motion (RAM)

Forest Symphony (2013)

fs

photo: shiro takatani

東日本大震災の後、坂本龍一氏は〈人類が生きる環境〉を支える森林へと意識を向けるべく、樹木が発する微弱な生体電位を元に楽曲を制作するというアートプロジェクトを構想しました。そのプロジェクトにYCAM InterLabが参画し、インスタレーションやウェブコンテンツとして展開したものがYCAMで開催した「Forest Symphony」です。本プロジェクトでは、樹木の生体電位を計測する為に、Arduino用「アンプシールド」を開発し、オープン化しました。また、収集した樹木の生体電位データも公開しました。また、完成品(シールドのみの基本セット、Arduinoとシールドを合わせたフルセット)の販売を行いました。

成果とライセンス

成果 成果 ライセンス / ツール
ハードウェア 基板の設計図(pdf) Creative Commons License BY-SA
  基板の設計図(Gerber Format File) Creative Commons License BY-SA
  部品リスト Creative Commons License BY-SA
ソフトウェア 注1 ハードウェア制御ソフトウェア(Arduinoのスケッチ) Apache License 2.0
  生体電位データを扱う基礎的なソフトウェア(oF・Processingのサンプル用コード) Apache License 2.0
生体電位データ 樹木から得られた生体電位データ CC0

注1 作品で使用した音響生成ソフトウェアは公開対象に含みません。

ウェブサイト

FOREST SYMPHONY Forest Symphony | YCAM InterLab

利用事例

Other Voices, Other Rooms by Shingo Sasahara
Tele-Flow
「マテリアライジング展Ⅱ」が始まりました。

YCAMサマースクール (2013)

fs

2013年、YCAMは広く市民が参加できる、メディアテクノロジーやパーソナルファブリケーションに関するワークショップシリーズ”YCAMサマースクール”を開催しました。参加者によるYCAMサマースクールでの成果を、参加者の意思に応じてオープン化しました。(“YCAMサマースクールでの成果公開の同意書”を採用しました。)

成果とライセンス

成果 ライセンス
ムービー, グラフィック, 図面, 3Dモデリングデータ, Modulobeデータ Creative Commons License (depends)
ソフトウェア Apache License 2.0 (depends)

ウェブサイト

YCAMサマースクール

利用事例

参加者による成果の公開事例

ワークショップ 公開件数 クリエイティブコモンズ・ライセンス付与件数
映像制作 8 件 (Youtube) 7 件
サウンド制作 4 件 (Sound Cloud) 2 件
Modulobe 51 件 (Modulobe) 51 件

2013年、YCAMは広く市民が参加できる、メディアテクノロジーやパーソナルファブリケーションに関するワークショップシリーズ”YCAMサマースクール”を開催しました。参加者が制作した成果を、ワークショップの主催者がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどを用いてオープン化できるとする同意書を作成、使用しました。さらに、他のワークショップ主催者などがこの同意書を利用できるよう、この同意書をオープン化しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス
同意書のひな形 Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

YCAMサマースクールでの成果公開の同意書

利用事例

YCAM サマースクール

GRP Contract Form (2013)

fs

クリエイティブでオープンな恊働の枠組み(=フレームワーク)を実現する、共同研究開発契約書のひながたであるGRPContractFormを開発しました。いわゆるオープンソースコードと同様に、多くの人々が自由に利用し、改変し、派生物を生み出せるようにするため、GRPContractFormをオープン化しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス
共同研究開発契約書のひながた, ドキュメント Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

GRP Contract Form

利用事例


Guest Research Project vol.2―ジェネレーティブ・メディアのためのコンポジション・ツール
Reactor for Awareness in Motion (RAM)
MEDIA/ART KITCHEN YAMAGUCHI

Guest Research Project vol.2 (2012)

ofxTimeline

Guest Research Projectは先端的なテーマをもつアーティスト/技術者を研究員として招聘し、YCAM InterLabと共同でメディア技術に関する研究開発をおこなう滞在研究プログラムです。Guest Research Project vol.2 ジェネレーティブ・メディアのためのコンポジション・ツールでは、ジェームス・ジョージ氏を招き、多様な形式の情報を時間軸上に構成するopenFrameworks用のアドオン「ofxTimeline」、ofxTimeline を基盤とした単体で動作可能なソフトウェア「Duration」を開発し、オープン化しました。並行してGRP Contract Formの開発を行い、ジェームス・ジョージ氏との契約にはGRP Contract Formを採用しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス
ソフトウェア Apache License 2.0

ウェブサイト

Guest Research Project vol.2―ジェネレーティブ・メディアのためのコンポジション・ツール
ofxTimeline [openFrameworks]
Duration – OpenFrameworks Timeline for Creative Code

利用事例


Blaus by Playmodes (PRIX ARS ELECTRONICA 2013 HONORARY MENTION)
Laser beams, light and sound installation, VAD Festival, Girona, 2012
BlueBeams by Playmodes
Laser and sound installation, VI Bienal de Arte,  Lanzarote, 2012
マザー牧場
マザー牧場イルミネーション2012「キラキラウィンターファーム」(youtube) 2012-2013年に千葉県のマザー牧場で行われたイルミネーションイベント”キラキラウィンターファーム”でDurationが利用されました。
Beyond Interaction[改訂第2版]クリエイティブ・コーディングのためのopenFrameworks実践ガイド、田所 淳、齋藤あきこ、ビー・エヌ・エヌ新社、2013、pp.226 (“大量LEDデバイスをDMXで制御する-堀宏行/堀井哲史”でキラキラウィンターファームでDurationが利用されたことが紹介されています。)
Magic Robot #003

EyeWriter 2.0 のつくりかた (2012)

fs

EyeWriter 2.0とは、YCAMのスタッフも開発に参加した、眼球の動きによる視線の変化を検出するオープンソースの「視線入力技術」です。2011年、YCAMでは、この技術をテーマとした2つの展覧会を開催しました。 LabACT 視線を通じて世界と繋がる。―視線入力技術 教育普及事業の一環として制作したThe Eyewriter2.0の日本語制作マニュアルを公開しました。

成果とライセンス

成果 ライセンス
ドキュメント Creative Commons License BY-SA

ウェブサイト

EyeWriter 2.0 のつくりかた

Guest Research Project vol.1 (2011)

mapamok

Music: “Mass” by Vaetxh

Guest Research Projectは先端的なテーマをもつアーティスト/技術者を研究員として招聘し、YCAM InterLabと共同でメディア技術に関する研究開発をおこなう滞在研究プログラムです。Guest Research Project vol.1 プロジェクタカメラ・ツールキットでは、カイル・マクドナルドを招き、2011年8月から11月の約3ヶ月間にわたりYCAMに滞在しました。カイル氏は、専門の機械を使用せずに対象物を3次元で計測する3Dスキャンを実現するプロジェクト「DIY 3D Scanning」を実施しており、YCAMにおける共同研究開発では、この技術を応用し、プロジェクションマッピングに必要とされるキャリブレーションを容易に実現するためのソフトウェア「ProCamToolKit(プロジェクタカメラ・ツールキット)」の開発を行い、オープン化しました。

成果とライセンス

対象 ライセンス
ソフトウェア MIT License

ウェブサイト

YCAM Guest Research Project vol.1—プロジェクタカメラ・ツールキット

利用事例

Real-time projection mapping (II) (‘Girls Night Out’, City Life Church, The Hague, 2012) Lex van der Sluijs 氏が、イベント ‘Girls Night Out’の為にmapamokの新たなバージョンを制作しました。これは、マルチプロジェクターのサポートと、それぞれのコンテンツを有するショーセグメントを規定する機能、ヴィジュアライゼーションをコントロールするGUIを追加したものです。ソースコードは、Github上のLex van der Sluijs 氏によるProCamToolkitのフォークから入手できます。

Choreography filmed: 5days of movement (2011)

fs

YCAMと振付家/ダンサーの白井剛が共同でおこなったビデオダンス制作プロジェクトです。ひとつのビデオダンスを起点に、作品という概念がより広範な概念へと移行しつつある今日における映像制作、そして視聴体験の可能性を積極的に模索していくプロジェクトとして展開しました。ビデオダンス作品『質量, slide ,& . in frames』、このビデオダンス作品を全編視聴できる特設ウェブサイトも制作しました。このウェブサイトには、ほかにも完成した作品と使用されなかった映像素材とを比較する機能、撮影された全ての映像素材を一覧/ダウンロードする機能などが盛り込まれています。

成果とライセンス

成果 ライセンス
ムービー Creative Commons License BY-NC-SA

ウェブサイト

Choreography filmed: 5days of movement Choreography filmed: 5days of movement (YCAM Re-Marks)

利用事例

[BRDG013] primitive mindリリース! jealousguy×MaxRakisuta×白井剛
[BRDG013] primitive mind この公開されたコンテンツをもとに、BRDGがリミックス作品を制作しました。


Creative Commons License YCAMにおけるオープン化の試み by Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM] is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International License.

top YCAM InterLab >