触感を表現する技術「TECHTILE(テクタイル)」を取り上げ、触覚に関する研究者やデザイナーを外部から招聘します。2011年度から2年間に渡る共同研究を通じて、触感表現のためのツールキットの開発と、パフォーミングアーツなどの芸術表現への導入について検証をおこないます。また、この過程で「TECHTILE」を普及するシンポジウムや、中上級者向けの集中レクチャーを開催し、触感や触覚についての積極的な議論を展開するとともに、開発するツールキットのフィードバックをおこなっていきます。
「TECHTILE(テクタイル)」とは、最先端の技術(Technology)と触感の表現(Tactile)との融合を示す造語で、慶應義塾大学の研究者を中心に、2007年より研究/発表されているテーマ。触感の再現だけに留まらず、触感の複製・転写までもを実現する最新の技術について研究するほか、新たな触体験に出会う機会として、アーティストやデザイナーが共同し、定期的に展覧会を開催している。
http://www.techtile.org/
集中レクチャー
日時:2013年3月9日(土)〜10日(日)
会場:山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
※詳細については2012年12月に発表予定
シンポジウム「TECHTILEという考え方:触感を表現する・触感で表現する」
日時:2011年8月21日(日)14:00-18:00 ※関連展示は13:00-19:3030分まで開催
会場:山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
筧康明|Yasuaki Kakehi(2011〜2012年度)
研究者。2007年、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。科学技術振興機構さきがけ研究員、慶應義塾大学専任講師を経て、現在は同大学環境情報学部准教授。実世界指向情報環境、インタラクティブメディア、メディアアートを専門に研究するほか、メディアアートユニット「minim++」(近森基氏+久納鏡子氏)とのコラボレートを中心にアート作品も発表している。
http://nae-lab.org/~kakehi/
仲谷正史|Masashi Nakatani(2011〜2012年度)
触覚研究者。ハーバード大学(米)リサーチアシスタントを経て、2008年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。同年、民間企業において触感評価技術の開発に従事。2009年より慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科リサーチャーを兼任。TECHTILEの活動を通じた、触感デザインの普及もおこなっている。
南澤孝太|Kouta Minamizawa(2011〜2012年度)
研究者。2010年、東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻博士課程修了。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任助教を経て、2011年より同研究科特任講師。ハプティックディスプレイ、バーチャルリアリティ、テレイグジスタンスを専門に研究をおこない、グローブ型のインタフェース「Ghost Glove」を開発、国内外で発表している。
http://minamizawa.jp/
NOSIGNER/太刀川英輔|Eisuke Tachikawa(2011年度)
デザイナー。「見えない物をつくる職業」という意味をもつデザイン事務所NOSIGNER代表。社会に機能するデザインを模索し、空間・プロダクト・グラフィックなど複数の領域で活動。科学・教育・地場産業のデザインプロデュースなど、社会的意義を踏まえたデザイン活動を続けている。被災地での生活を助けるデザインやアイデアを集め、共有するプロジェクトOLIVE PROJECT代表。
http://www.nosigner.com/
主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
共同開発:YCAM InterLab、慶應義塾大学環境情報学部筧研究室、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科舘研究室
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]