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南 隆雄の滞在制作日誌 part1

6/19
「30x30」が商店街で始まった。猛暑なか、アスカの水だし紅茶(2杯)を飲みながら、橋の上で踊るフォルティエを見る。松本と相談しながら、明後日のプレゼンの準備をする。

6/20
丸尾君、山城君とYCAMに朝10時に集合して、山口県北部の角島に撮影にでかける。途中、「石柱渓」と書かれた看板に惹かれて寄り道したのが大正解。石英斑岩結晶による不等辺5角形の石柱に、大小数々の滝が絡む散策道を1時間ほどかけて歩き、素麺のCMのような滝を撮る。角島に渡る大橋で一気に上がったテンションのまま浜辺に到着。さっそく水平線を撮り、ものすごい奇麗な海で泳ぐ。人はまばら。牛を見、巨大なスチロールを拾い、夕日を撮影し、刺身を食い、帰り道で偶然ホタルを見る。大変充実。

6/21
1x60の制作が始まる。フォルティエと話しながら、ほとんど暗転の舞台上、ほのかな灯りの中での動きを試みる。心霊写真のような反射像、消える影、蛍の光、スクリーンに映し込まれる舞台袖機材の影のフラッシュ、光る足跡など、断片的な舞台セットのアイデアがつぎつぎとうまれる。昨日僕が拾った卵形のスチロールをいたく気にいってくれて、セットの一部になりそう。なんとなくそのことで、安心して自分のアイデアを伝えられる気がした。

6/22
フォルティエがこっちに来て初めて舞台上で踊る。既に彼からもらったDVDで見ている試作のダンスを実際の舞台上で見ることで、印象が全く変ってしまうという至極当たり前のプロセスを経ることで、いままで考えていた沢山のアイデアがふるいにかけられ、またあたらしく試みたいことがでててくる。夜にフォルティエ、ジネル、オリビエ、アスカ、松本と一緒に和食を食べにいく。

6/23
日曜日までに、舞台セットのイニシャルアイデアのフィックスを頼まれる。ちょっと厳しいので、月曜日までのばしてもらうことに。焦る。

6/24
焦った甲斐あって、セットが少しずつ形に。舞台上に大きなテレビを設置してみる。「舞台上にあるテレビモニタでいったん映像が上映されると、観客はそちらを見てダンスを見なくなる」とフォルティエは主張して譲らない。僕にしてみれば、生身の体の発する情報量の多さはテレビの比では無いような気がするのだけど。YCAMに来られていた石井達郎さんのトークを聴き、スタッフとみんなでに飲みに行く。

6/25
なにかの形で、フォルティエのアクションと映像が相互に絡む作品を、だいぶ前から松本にサポートしてもらっていろいろと試してきて、今日ようやく形になりそうなものがひとつできた。棒が木に、木が四角に、四角が幾何学模様にと、刻々と変化するインタラクティブアニメーション。もっと思わせぶりで、はかない相互性を。

南隆雄

■メディアアーティストとして参加の南隆雄さんの、1x60実現へ向けた日々の作業!  映像サポートのアーティスト松本さんと撮影で外部にいったり、スタジオ(劇場)にこもったり、着々と作品制作は進んでいます。 制作 四元

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