ワークショップ「こどものための即興オーケストラ」レポート

8月17日(日)快晴

今日は関連イベントの「こどものための即興オーケストラ」ワークショップが市内の湯田小学校の音楽室でおこなわれました。

参加者は小学2年生から中学生までの約30名。受付に来た子どもたちからの顔からはいまから何が始まるんだろうとちょっぴり緊張している様子や、期待に胸ふくらませてワクワクしている様子がうかがえます。

ちょっとずつ参加者が集まり始めた音楽室は、クーラーがついているにも関わらず徐々に熱気がむんむん。

14:00からワークショップ開始。はじめに教育普及の鎌田さんがあいさつをして、それから大友さんにバトンタッチ。

「みんな音はどうやって出ているか知ってる?」と大友さんが質問。「知ってるー、振動が伝わるんだよね」と授業で教えてもらったのか、子どもたちから答えが返ってきます。「音には波があって、いろんな高さの波があります。じゃあこの音は聴こえるかな?」周波数の帯域を変える機械(サンプラー)を使いながら、「この波が高かったり低すぎたら聴こえない場合もあるんだよ。みんなまだ若いから聴こえる幅が広いけど、大人になれば聴こえなくなる音もあります」。実際に高低それぞれの周波数を聴いてもらいながら、音の話に子どもたちの関心を誘います。

そしていよいよ楽器を使っての演奏が始まります。

家からもって来なかった子は、音楽室にあるいろんな楽器の中から選んで使います。ティンパニーや木琴や鉄琴、ドラム、シンバル、アコーディオンなどなど、思い思いの楽器を手に持つ子どもたち。早くも気分は高揚している様子。「じゃあさっそく鳴らして・・・」と大友さんが言うやいなや、みんなばらばらに無秩序に音を出し始めます。そんな子どもたちを制して、「まだ僕がはいって言うまで音をだしちゃあだめだよ。音を出す前の静かな時間、この何も音が出ていないということをまずは感じることが大事なんだよ」と話す大友さん。

大友さんの指揮にしたがって大きな音や小さな音、楽器にあわせて長めの音や短い音などを出していきます。

音を出すだけではなく、「聴く」ということも体験します。大きな銅鑼や、音が長〜くなる楽器を使って、「いまから鳴らす音が鳴り終わったと思ったら手を挙げて」。大友さんが鳴らした音にみんな耳を傾けます。手をあげるタイミングはばらばら。人によって感じ方が違うんですね。何人かに前に出てきてもらい、一回鳴らしてそれをじっと聴く、音が鳴りやんだと思ったらもう一回その楽器を鳴らしてまたそれが鳴りやむまで聴く、ということを繰り返します。みんな真剣に音を逃すまいと楽器に耳を近づけて聴き入ります。

「では、隣の人が音を出したら、自分も音を出してみて」。そうやって音を聴きながら演奏するということを何度か繰り返し体験していくうちに、最初はばらばらだったみんなの音が、徐々にひとつのまとまりのある音に変わっていきます。最後には子どもたちによるりっぱな楽団が誕生!

既存の曲を楽譜通りに演奏するということはしないで、即興で演奏するということ、しかもみんながばらばらに音を出し合うのではなく、いかに共有して音楽をつくりだしていくか、ということが体で感じられるワークショップだったのではないでしょうか?

さてさて、元気いっぱいわんぱくなこどもたち相手に負けじと普段以上に声を張り上げていた大友さん。ワークショップが終わった時には、子どもたちに生気をすべて吸い取られたかのようにぐったり?な様子。大友さん、お疲れ様でした。

8/23(土)14:00〜17:00に山口情報芸術センターの館内あちこちを使ってライブがおこなわれます。今回のワークショップに参加した子どもたちも何人か出演します。他にもプロアマ含め多数出演者あり、そんななかで子供たちがどんな即興演奏を聞かせてくれるのか、ぜひ聞きに来てください。

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