「時間」は、とても身近な存在であるのに、考えれば考えるほど不可解で捉えどころのない不思議な存在です。「時間」を意識した瞬間に、その事柄をつまらなくしてしまった経験が多々あるような気がします(映画鑑賞中に時計をみるとか)。自然は時とともに、人間には知覚できないくらい静かにゆっくりと変化していきます。人間が考えた「時間」という概念の表現ではなく、ただ流れ変化していく「時のながれ」を体感するものとして今回の作品を作りました。本作品は、気がつくかつかないぐらいのゆっくりとした速度で、会場内を巡っています。疲れた時はそこに座って時に身を任せることもできます。
(石黒 猛)