紙を切る、折る、貼り付ける。木を削る、穴をあける、つなぐ。金属を曲げる、溶かす。粘土をこねる、くっつける。芸術家は、これまでそうやっていろいろな作品を作ってきました。「時間」も、紙や木と同じように、自由に切ったり曲げたりくっつけたりできないだろうか?この作品はそんな想像から生まれた作品です。ビデオカメラで撮影された映像は、いったんコンピュータの中のメモリに貯えられ、プログラムによって、リアルタイムに順番を替えたり、切ったりつないだりして表示され、不思議な時間の流れを作り出します。紙や粘土や鉄と同じように、「時間」もこれからはアートの素材なのです。
(岩井俊雄)