NASDAQという電子証券取引所が誕生した1971年、金兌換制が廃止され、お金(=money)はモノから遊離し、電子データとなりました。個人投資家の爆発的増大を向かえる近年、電子データとなったお金は恐るべき速度で世界を駆け抜け、今やその取り引きの速度は人間の知覚を超えたといえるかもしれません。MaSSは、株式市場で取り引きされる株式の約定データをもとに「電子ネットワーク上の時間」を表現します。一秒間に何十回という速度で取り引きされているネットワーク上のお金に、もはやわれわれの想像力は追いつくことができません。速度によってお金の実質的な量感(=mass)が引き剥がされていく瞬間に、時間とは一体どんな意味を持つのでしょうか。